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BMJ誌から
NSAIDsの常用はパーキンソン病リスクと無関係

 アスピリン以外の非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)を常用している人々はパーキンソン病リスクが低い―。そんなメタ分析の結果(1)が2010年3月に報告され、わが国でも注目を集めた。しかし、米Veterans Affairs Boston Healthcare SystemのJane A Driver氏らが、米国の男性医師を対象とするネステッドケースコントロール研究を行ったところ、これらのNSAIDsを常用してもパーキンソン病の発症や進行に有意な影響は及ぼさないことが明らかになった。論文は、BMJ誌2011年1月29日号に掲載された。

 パーキンソン病の発症や進行に神経系の炎症が関与することを示唆したデータは複数存在する。実際に動物モデルでは、NSAIDsの神経保護作用が示されている。これまでに行われた複数の観察研究の結果は、アスピリン以外のNSAIDsの使用とパーキンソン病リスク低下の間に有意な関係があることを示唆したが、逆にリスク上昇と関係すると報告した研究も1件ある。アスピリンについては、リスクを低減するという報告が3件、有意な関係なしまたはリスクを上昇させるという報告が3件あった。著者らは、これらの研究の多くが、短い追跡期間に得られたデータを分析していることに着目した。

 さらに、非無作為化試験であるのに交絡因子候補の関与について十分に検討していないことも、結果に影響を与えていると考えた。NSAIDsを常用する患者は複数の慢性疾患を抱えている可能性が高い。また、パーキンソン病患者が、診断前の数年間、持続する疼痛や不快感を訴えてNSAIDsを使用する可能性もある。

 そこで著者らは、より慎重にパーキンソン病とNSAIDs使用の関係を調べるために、Phisicians' Health Studyで登録された米国の男性医師を分析対象とした。この試験では、医師2万2071人をアスピリン325mgの隔日投与またはβカロテン50mgの隔日投与に無作為に割り付けていた。これらの男性は、1982年の試験開始時に、年齢が40~84歳で、心血管疾患、癌、その他の重篤な疾患ではなく、NSAIDsの適応でも禁忌でもないという条件を満たした人々だ。

 得られたデータがアスピリンの心筋梗塞リスク低減効果を示したため、アスピリン群の人々については、約5年を経過した時点で使用を中止した後も追跡を続けている。著者らは今回、08年3月4日までの2万2007人分のデータを分析した。

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