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BMJ誌から
心血管生涯リスクを予測するQRISKモデルを開発

 心血管10年リスクの予測において修正版フラミンガムスコアよりも高い精度を持つQRISK2を開発した研究者らが、新たに心血管生涯リスクを求めるQRISKモデルを構築した。生涯リスクスコアは、10年リスクスコアに比べ、より若い世代のハイリスク者を抽出するために役立つ可能性がある。論文は、英Nottingham大学のJulia Hippisley-Cox氏らが、BMJ誌電子版に2010年12月9日に報告した。

 著者らは先に心血管10年リスクを推定するQRISK2モデルを作成した(関連記事)。このモデルでは、10年以内に心血管イベントが発生するリスクが20%以上と予測されたハイリスク者は予防的介入の対象になる。

 だが、10年リスクモデルにおいては、年齢がリスク推定における重要な要素であるために、若いが心血管リスクが高い人々のスコアが低くなるという問題があった。同世代の人々と比べて心血管リスクが高い青年や中年の人々については、リスクが20%を超えるのを待たずに早期に介入を開始した方が、生涯にわたる利益は大きくなる可能性がある。著者らは、特に若い世代は、10年リスクではなく生涯リスクを介入の指標にした方がいいのではないかと考え、QRISK2作成時と同様の方法で、貧困度や人種に関する変数も組み込んだ心血管生涯リスクを推定するアルゴリズムを構築した。

 英国の一般開業医を受診した患者が登録されているQResearchデータベースから情報を抽出。1994年1月1日から2010年4月30日までにQResearchにデータを入力しており、条件を満たしたイングランドとウェールズの開業医563人を受診していた患者の中から、30~84歳で、スタチン処方歴がなく、心血管疾患歴のない患者を選出。234万3759人(女性が50.8%、平均年齢48.1歳)を誘導コホート、126万7159人(女性が50.9%、平均年齢48.0歳)を確認コホートとし、必要なデータを抽出すると共に、それら患者の初回心血管イベント(冠疾患、脳卒中、一過性脳虚血発作)を同定した。

 誘導コホートでは、1648万5396人-年の観察で12万1623件の心血管イベントが発生していた。

 生涯リスクスコア計算モデルの作成には、QRISK2とほぼ同じ予測変数を用いた(下記参照)。例外は喫煙歴(より細分化した)と年齢(予測変数としてではなく時間関数として組み込んだ)のみ。

・人種(白人/不明、インド人、パキスタン人、バングラデシュ人、その他のアジア人、アフリカ系黒人、カリブ系黒人、中国人、その他)
・年齢
・性別
・喫煙(1日に20本以上、1日に10~19本、1日に10本未満、過去の喫煙者、喫煙歴なし)
・収縮期血圧
・総コレステロール/HDLコレステロール比
・BMI
・冠疾患家族歴(1親等の親族が60歳未満で発症の有無)
・Townsend貧困スコア(居住地の社会的貧困の指標。失業、過密、自家用車非保有、借家という4つの変数に基づいて物質的貧困度を評価)
・治療中の高血圧(高血圧と診断され、1種類以上の降圧薬を1回以上使用)
・2型糖尿病の有無
・慢性腎疾患の有無
・心房細動の有無
・関節リウマチの有無
 

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