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BMJ誌から
三環系抗うつ薬は片頭痛と緊張型頭痛に有効
偽薬やSSRIに比べて予防・痛みの軽減に効果、メタ分析の結果

 三環系抗うつ薬片頭痛緊張型頭痛に対する有効性と安全性を改めて評価すべく行われた大規模なメタ分析の結果が、BMJ誌2010年10月23日号に掲載された。米Walter Reed陸軍医療センターのJeffrey L Jackson氏らは、三環系薬剤の頭痛予防と頭痛強度軽減における効果は、偽薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)に比べて高いことを明らかにした。有害事象は三環系薬剤の方が多かったが、脱落率には差はなく、忍容性も許容範囲であることが示唆された。

 米国では40年以上にわたって、標準的な頭痛予防薬として三環系薬剤が用いられている。しかし先の研究で、適応となるはずの男性患者の43%、女性患者の34%が投与を受けていないことが明らかになった。その主な理由は、有効性が広く認識されていない、有害事象に対する過剰な不安がある、効果は片頭痛患者のみに現れるという誤解―などにあるのではないかと考えた著者らは、大規模なメタ分析を実施して、三環系薬剤の片頭痛と緊張型頭痛の予防における有効性と忍容性を明らかにしようと考えた。

 文献データベース(Medline、Embase、コクランレジストリ、PsycLITなど)から、片頭痛、緊張型頭痛、それら両方に苦しむ混合型頭痛の患者に対する三環系抗うつ薬の有効性と安全性を評価していた無作為化試験を選出。18歳以上の患者に三環系抗うつ薬のみを4週間以上投与しており、対照群には偽薬、または他の頭痛予防薬を投与、もしくは治療なしを適用していた研究を選んで、頭痛の頻度(片頭痛発作の回数と緊張型頭痛があった日数)、頭痛の強さ、頭痛指数などに関するデータを抽出した。

 37件の研究が条件を満たした(米国の研究が10件、イタリアが5件、英国が4件など)。13件が片頭痛、17件が緊張型頭痛、6件が慢性混合型頭痛、1件は心因性頭痛に焦点を当てていた。37件中20件は対照群に偽薬を投与し、8件はSSRI、3件はβ遮断薬、3件は四環系薬剤を用いており、それ以外の薬剤を対照群に適用した研究が4件あった。

 登録患者の総数は3176人(平均年齢は39.6歳)、試験期間の平均は10週間で、頭痛の頻度を評価していた研究は19件、頭痛強度を評価していたのは5件、頭痛指数を評価していたのは13件だった。

 三環系薬剤は、偽薬に比べて緊張型頭痛の日数、片頭痛発作の回数を有意に減らしていた。標準化平均差はそれぞれ、-1.29(95%信頼区間-2.18から-0.39)と-0.70(-0.93から-0.48)。2通りの頭痛を合わせた標準化平均差も-0.96(-1.39から-0.53)と有意な値になった。偽薬群との差は1SDに近く、臨床的に意義のあるレベルと考えられた。

 SSRIと三環系薬剤を比較した場合には、緊張型頭痛の日数、片頭痛発作の回数ともに差は有意にならなかった。標準化平均差はそれぞれ、-0.80(-1.63から0.02)と-0.22(-0.75から0.31)だった。

 三環系薬剤を投与された患者の片頭痛発作の回数、緊張型頭痛の日数は、治療期間が延びるにつれて減少していた。1週間継続当たりにすると0.16 SDの減少となった。

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