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BMJ誌から
内視鏡を使わない新規バレット食道検査が高い有用性

 バレット食道のスクリーニング目的で、カプセル型の検体採取器具と免疫染色を組み合わせた新しい検査法が開発された。この検査法の忍容性と有用性を調べる前向きコホート研究を実施した英Hutchison-MRC Research Centre のSudarshan R Kadri氏らは、好ましい結果を得て、BMJ誌2010年9月18日号に報告した。

 バレット食道は、食道腺癌の危険因子の1つだ。近年、バレット食道に対する内視鏡的治療が可能になったことから、安全で侵襲性が低く、簡便で安価な技術が登場すれば、広範なスクリーニングを行う意義は高いのではないかと考えられるようになった。

 今回用いられたカプセル型嚥下検体採取器具Cytospongeは、広がると直径3cmになるメッシュがゼラチンカプセルに詰め込まれている。メッシュには紐がついており、患者は糸の末端を手に持ってカプセルを飲み込み、5分間待つ。その間にカプセルは胃の中で溶け、メッシュが広がる。5分後に、喉の奥に1%リドカインをスプレーして、頸部伸展位で紐を引き、メッシュを取り出す。紐を切り落とし、メッシュを保存液の中にいれて、検査ラボに届けるという手順だ。

 患者への説明から検査終了までに要する時間は10分足らず。今回は採取から48時間以内に標本の処理が行われた。

 検査ラボは標本をパラフィン包埋し、著者らが発見したバレット食道の診断マーカーであるトレフォイル因子3(腸に存在するトレフォイル因子)で免疫染色する。染色陽性の腺細胞が認められればバレット食道と診断する。

 この試験は、英国内の一般開業医の診療所12カ所と、内視鏡検査部門のある病院1カ所で行われた。患者登録は、08年5月から09年12月まで実施。バレット食道の診断歴はなく、過去1年間に胃内視鏡検査歴がない50~70歳の人々の中から、過去5年間に3カ月以上にわたって制酸薬(H2ブロッカーまたはプロトンポンプ阻害薬)の処方歴を持つ人々を選出。504人(年齢の中央値は62歳)を登録した。

 Cytosponge検査から3週間以内に胃内視鏡検査を行った。診断のカットオフ値として、プラハ分類におけるC(末尾の注参照)が1cm以上(C1)と2cm以上(C2)の2通りを設定。生検標本を採取して腸上皮化生の存在を調べた。

 主要アウトカム評価指標は、胃内視鏡検査の結果と比較したCytosponge検査バレット食道の診断の感度と特異度とした。加えて、検査終了後30分以内と7日後、90日後に、患者の不安(略式Spielberger state trait anxiety inventoryを用いて評価。スコア40以上を臨床的に意義のある不安とした)、ストレス(Impact of Event Scale、侵入症状のスコアと回避症状のスコアがいずれも19より大きい場合をストレスが大きいとした)、忍容性(VASを用いてCytosponge 検査の経験を最悪=0から非常に快適=10までの11段階で評価)も調べた。

 504人中501人(99%)はCytospongeを飲み込むことができた。これら全員を分析対象とした。胃内視鏡検査を受けなかった32人はバレット食道なしと見なした。

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