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BMJ誌から
複合アウトカムを扱う無作為化試験の多くに問題あり

 複合アウトカムを主要エンドポイントに設定した無作為化試験は、著名なジャーナルにも数多く掲載されている。しかし、デンマークCopenhagen大学のGloria Cordoba氏らはこのほど、系統的レビューを行い、複合アウトカムを構成する個々のアウトカムは、正当な理由なく組み合わされ、それらの定義が論文の中で変動し、報告も適切に行われていない可能性があること、そのために読者は混乱し、介入の有効性を本来より強く感じてしまう危険性があることを明らかにした。論文は、BMJ誌2010年8月19日号に掲載された。

 複数のイベントを組み合わせた複合アウトカムは、単一項目からなるアウトカムに比べてイベント発生総数が多くなるため、標本数が少なくても統計学的に有意な結果を得やすい。したがって、試験のコストや所要時間を減らすことができる。

 だが、複合アウトカムを主要エンドポイントとして用いると、結果が誤解されやすいという問題もある。たとえば、死亡または胸痛という項目からなる複合アウトカムを設定し、得られた結果が有意な減少を示したとしても、死亡と胸痛の両方が減少したとは限らない。胸痛は大きく減少したが死亡は増えた、という状況もあり得る。

 そこで著者らは、複数の項目を組み合わせた複合アウトカムがどのように設定され、報告され、解釈されているかを調べる系統的レビューを実施した。

 2008年に報告された無作為化試験で、主要エンドポイントが複合アウトカムになっていた研究を文献データベースから抽出した。

 分析対象として条件を満たしたのは40件の研究。うち29件(73%)は心血管疾患に関する試験で、24件(60%)は資金の一部または全額が企業から提供されていた。掲載されていたジャーナルは、6件がNEJM、4件がJAMA、3件がAmerican Heart Journal、3件がLancet、2件がBMJ、2件がTransplantationなどだった。

 複合アウトカムを構成する項目数の中央値は3だった(範囲は2~9)。著者らはそれぞれの研究が設定した複合アウトカムの項目の中から、最も重要と考えられるものを選んだ。33件(83%)が死亡または心血管死亡、6件(15%)が臨床イベント(失禁、呼吸窮迫、静脈炎、不整脈など)、1件(3%)は入院だった。

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