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BMJ誌から
カルシウムサプリで心筋梗塞リスクが1.3倍に

 骨粗鬆症の予防や治療を目的としてカルシウムサプリメントを使用する高齢者は少なくない。しかし、ニュージーランドAuckland大学のMark J Bolland氏らが行った無作為化試験のメタ分析で、カルシウムの投与が中高年者の心筋梗塞リスクを1.3倍に高めることが明らかになった。論文は、BMJ誌2010年8月7日号に報告された。

 多くのガイドラインが、骨粗鬆症の予防または治療に欠かせないものの1つにカルシウムの適切な摂取を挙げている。既に、50歳以上の人々の間で、カルシウムサプリメントは広く利用されている。カルシウムサプリメントの利益は予想しやすいが、リスクには注意が払われていない。

 カルシウム摂取が血管の石灰化を促進し、心筋梗塞や心血管イベントのリスクを高めると報告した研究もあることから、著者らは、カルシウムサプリメントの投与が心血管イベントリスクを高めるかどうかを調べるメタ分析を行った。

 Medline、Embase、コクランセントラル比較臨床試験登録などに2010年3月までに登録された研究の中から、以下の条件を満たすものを選んだ。無作為化試験で、カルシウムサプリメント(500mg/日以上)または偽薬を100人以上の成人(40歳超)に1年以上投与した研究。介入群にビタミンDとカルシウムを、対照群には偽薬のみを適用した研究は除外し、介入群にビタミンDとカルシウム、対照群にはビタミンDのみ投与した研究は組み込み可能とした。

 15件が条件を満たしたが、4件は心血管アウトカムに関するデータを報告していなかった。残りの11件中5件については、登録された個々の患者の情報(計8151人、追跡期間の中央値は3.6年、四分位範囲は2.7~4.3年)を入手できた。6件からは、臨床試験レベルのデータが得られた(3770人、追跡期間は3.8年)。

 主要エンドポイントは、初回心筋梗塞、初回脳卒中、心筋梗塞/脳卒中/突然死を合わせた複合イベントに、2次エンドポイントは全死因死亡に設定した。

 最初に、患者レベルのデータを提示していた5件の研究を対象に分析した。心筋梗塞を経験したのは、カルシウムに割り付けられていた143人と偽薬群の111人。偽薬群と比較したカルシウム群の心筋梗塞のハザード比は1.31(95%信頼区間1.02-1.67、P=0.035)となった。

 有意ではないが、脳卒中の罹患率にも上昇傾向が見られた(167人と143人でハザード比1.20、0.96-1.50、P=0.11)。同様に、複合イベントのリスク(293人と254人でハザード比1.18、1.00-1.39、P=0.057)、全死因死亡のリスク(519人と487人でハザード比1.09、0.96-1.23、P=0.18)も上昇傾向を示した。

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