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BMJ誌から
新型インフルワクチン、乳幼児への免疫原性が高いのはアジュバント添加型
2歳以下の小児でも98%に血清転換を誘導

 パンデミックインフルエンザ2009H1N1)用に英国で市販されたワクチンのうち、乳幼児への免疫原性が高いのは、アジュバント添加スプリットワクチンか、アジュバント非添加の全粒子ワクチンか―。英Oxford大学のClaire S Waddington氏らは、両者の小児に対する有効性と安全性を直接比較する無作為化試験を行い、アジュバント添加ワクチンの方が局所反応や全身性の反応を引き起こす可能性は高いものの、2歳以下の小児であっても98.2%に血清転換を誘導できることを明らかにした。論文は、BMJ誌2010年6月12日号に掲載された。

 乳幼児に季節性インフルエンザワクチンを接種しても、抗体価が上がりにくいことが知られている。

 これまでに報告された小児の2009H1N1感染率は、成人の約4倍となっている。多くの患者は軽症だったが、併存疾患のある小児には重症化や死亡が見られた。

 英国は2009H1N1に対するワクチンを2種類購入した。GlaxoSmithKline社製の、AS03a(ビタミンEベースの水中油滴型乳剤からなるアジュバント)を添加したスプリットワクチン(鶏卵を用いて増殖させたウイルス由来。日本でも承認、輸入した)と、Baxter社のアジュバント非添加全粒子ワクチン(ベロ細胞を用いた細胞培養法により製造)だ。

 著者らは、英国の予防接種プログラムの中で、これらワクチンの小児に対する安全性と反応原性、免疫原性を比較する無作為化並行群間試験を、英国内5施設で実施した。

 英国が2009H1N1感染の第2波の最中にあった09年9月26日から12月11日まで、生後6カ月から12歳までの小児の中から、2009H1N1感染確定例、臨床的に抗ウイルス薬投与が適切と判断された感染者、卵アレルギーなどによって予防接種が受けられない小児などを除外し、943人を登録。1対1でアジュバント添加スプリントワクチンまたはアジュバント非添加全粒子ワクチンに割り付け、21日間隔で2回接種した。

 全身または局所の反応原性に関する情報は、接種から1週間後まで収集した。血清標本はベースラインと2回目の接種から約21日後に採取した。

 主要アウトカム評価指標は、反応原性(接種後7日目までの日記に基づく発熱、圧痛、腫脹、紅斑などの発生率)と免疫原性(2回目の接種後に主にマイクロ中和〔MN〕試験によって判定された血清転換率)に設定した。

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