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BMJ誌から
妊娠糖尿病に対する治療は難産のリスクを減らす
オーストリアの研究者らによるメタ分析の結果

 妊娠糖尿病と診断された妊婦に血糖降下治療を行うことにより、肩甲難産リスクが半分以下になることが、オーストリアGraz医科大学のKarl Horvath氏らが行ったメタ分析で明らかになった。論文はBMJ誌2010年4月10日号に掲載された。

 妊娠してから糖尿病を発症した、または妊娠後に糖尿病と診断された妊娠糖尿病の妊婦では、妊娠中と出生時の合併症リスクが上昇する。また、妊娠糖尿病歴のある女性は、その後2型糖尿病を発症するリスクが高いことも知られている。このため妊娠糖尿病の妊婦には治療が勧められるが、血糖降下治療が臨床転帰に及ぼす影響や、治療の利益がリスクを上回る患者の選抜方法はこれまで明らかではなかった。

 そこで著者らは、妊娠糖尿病に対する治療が母子に与える利益とリスクを明らかにするために、無作為化試験を対象に系統的レビューとメタ分析を実施した。

 Embase、Medline、AMED、BIOSIS、CCMed、CDMS、CDSR、CENTRAL、CINAHL、DARE、HTA、NHS EED、Heclinet、SciSearchといくつかの出版社のデータベースに09年10月までに登録された文献の中から、妊娠糖尿病に対する通常のケアと特定の介入を比較している無作為化試験(介入の利益を直接推定できる)、または、特定の介入をより積極的に行った場合(別の治療を併用、治療を早期開始、より高頻度に実施、目標とする血糖値を低く設定、新生児に対する特別の介入を実施など)と緩やかに行った場合を比較している無作為化試験(用量反応関係などの間接的な情報を得ることができる)を選出した。また、妊婦の組み込み基準にも注目した。

 条件を満たしたのは、計18件の研究。これらがアウトカムとして評価していたのは、産婦死亡、周産期死亡、分娩外傷、分娩様式、肩甲難産、子癇前症と子癇、新生児低血糖、高ビリルビン血症、介入が必要な代謝異常、呼吸窮迫、新生児ICU入院、入院期間、QOL、有害事象など。代替評価指標としては、巨大児、または妊娠週数に対して児が大きいもしくは小さい、早産、アプガースコア、小児肥満、妊娠高血圧、母親のその後の2型糖尿病発症などだった。

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