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BMJ誌から
マンモスクリーニングは乳癌死亡を減らさない

 マンモグラフィーを用いた乳癌スクリーニングは、乳癌死亡を減らのか―。この疑問を慎重に検証したデンマークCopenhagen大学のKarsten Juhl Jorgensen氏らは、スクリーニングの効果を否定する研究結果を、BMJ誌2010年4月10日号に報告した。

 マンモスクリーニングの導入以降、コペンハーゲンの乳癌死亡は有意に減少したとの報告があった。著者らは、そうした結果が本当にスクリーニングに由来するかどうかに疑問を持った。また、検査機器の改良、乳癌に関する啓発活動の広まり、治療法の改善などが着実に進んでいることから、スクリーニングの効果は定期的に評価すべきだと考えた。そこで、より幅広い年齢の女性を対象に、長期的な乳癌死亡率の変化を比較することにした。

 コペンハーゲンでは、91年4月1日に、50~69歳の女性約5万人を対象としたマンモスクリーニングが始まった。続いてフューネンで93年11月1日に、やはり約5万人の女性を対象にスクリーニングが開始された。さらにコペンハーゲンのフレデリックスベル地区が、94年6月1日に約1万人を対象にスクリーニングプログラムを開始した。

 著者らは、コペンハーゲン(フレデリックスベルを含む)とフューネンをスクリーニングあり地域とし、それ以外のデンマーク国内(人口の約80%が居住)をスクリーニングなし地域として、乳癌死亡率の年間変化率を比較することにした。

 乳癌死亡は、71~06年のデンマーク死亡登録の情報に基づいて判定した。

 スクリーニングあり地域に住み、スクリーニングの対象となっており、受検の利益が現れる可能性のある年齢(55~74歳)の女性において、スクリーニングが乳癌死亡に影響を及ぼすと考えられる97~06年の10年間に、乳癌死亡率は年間1%減少していた(相対リスクは0.99、95%信頼区間0.96-1.01)。

 一方、スクリーニングなし地域の55~74歳の女性では、同じ10年間に乳癌死亡率が年間2%減少していた(相対リスク0.98、0.97-0.99)。

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