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BMJ誌から
整形外科手術後のステープル使用で創感染リスクが約4倍
少なくとも股関節部の手術では推奨されない

 整形外科手術後の術創閉鎖ステープラーを用いた場合、縫合糸を用いた場合に比べて表層創感染リスクが3.8倍、股関節部の手術に限定すると4.8倍に高まることが、英Norfolk and Norwich大学病院のToby O Smith氏らが行ったメタ分析で分かった。論文は、BMJ誌2010年4月3日号に掲載された。

 整形外科手術を受けた患者の入院期間をより短くする方法の一つとして、適切な創閉鎖法の選択が重要と考えられる。治癒が早く、患者に受け入れられる外見でありながら、創傷離開や創感染などの合併症リスクは低い方法が理想だが、創閉鎖のための最適な方法がどれかは明らかではない。

 整形外科領域では、金属製ステープルまたはナイロン製縫合糸が主に用いられている。ステープルの方が簡便だが、創感染リスクは縫合糸を用いた場合より高く、外見的にも縫合糸に劣ると報告した研究結果がある。

 そこで著者らは、整形外科手術後の創閉鎖にステープルを用いた場合と縫合糸を使用した場合の転帰を比べた臨床試験を対象にメタ分析を行い、表層創感染リスクを評価した。

 文献データベース(Medline、CINAHL、AMED、Embase、Scopus、コクランライブラリ)などに1950年~2009年9月に登録された研究の中から、創閉鎖にステープルまたは縫合糸を使用し、その後の臨床転帰を比較した無作為化比較試験または非無作為化比較試験を選出した。

 6件の論文が条件を満たした。方法論的な質が良好だったのは1件の研究のみ。しかし、有意な出版バイアスは見られなかった。

 3件は股関節部の手術を受けた患者を対象としていた。2件は股関節または膝関節の形成術を受けた患者を合わせて登録しており、1件は上肢または下肢の外傷患者を対象にしていた。

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