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BMJ誌から
熱傷患者への抗菌薬予防投与で院内死亡が46%減少
17件の研究のメタ分析の結果

 熱傷患者の院内感染率は高く、こうした院内感染は有害転帰や死亡の原因になる。だが、熱傷管理ガイドラインの多くは抗菌薬予防投与を推奨していない。そこで、イスラエルTel-Aviv大学のTomer Avni氏らはメタ分析を実施。熱傷患者に対して抗菌薬の予防的な全身投与を行うと、院内死亡が半減することを明らかにした。論文は、BMJ誌電子版に2010年2月15日に掲載された。

 集中治療室に入院中の患者に抗菌薬の予防投与を行うと、死亡、菌血症、人工呼吸器関連肺炎のリスクが低下する。集中治療室の患者と熱傷患者の状態が似ていることから、熱傷患者にも予防投与を行えば利益が得られると考えられるが、主にエビデンス不足から、熱傷患者に対する抗菌薬の予防投与は推奨されていない。周術期の予防投与についても、主に重症患者(熱傷が体表面の40%を超える患者)に限定して適用されている。

 著者らは今回、熱傷患者に予防的に抗菌薬を適用した無作為化試験または準無作為化試験を対象に、系統的レビューとメタ分析を行った。

 PubMed、コクランライブラリ、LILACS、Embase、学会発表などから、重症度、気道熱傷の有無は問わずに、熱傷で入院した患者を対象に、抗菌薬を予防的に使用した場合と、偽薬投与または投与なしを比較した研究を抽出した。

 投与方法として、全身投与(静脈内、筋肉内、または経口投与)、非吸収性抗菌薬の経口投与、局所適用(抗菌薬含有ドレッシング剤、抗菌薬吸入)の3通りを用いていた研究を選んだ。全身投与と他の投与法が併用されていた患者は、全身投与群に分類して分析した。

 主要アウトカムはあらゆる原因による院内死亡とした。

 17件の試験が条件を満たした。これらは1968年から2008年までに報告された研究で、1113人の患者を登録していた。多くが重症熱傷の患者だった。

 12件の研究が介入群に全身投与を行っていた。うち6件は周術期の投与について評価しており、残りの6件は周術期に限定しない全般的な適用について評価していた。

 介入群に非吸収性抗菌薬のみを適用していたのは1件で、周術期に限定しない全般的な適用だった。具体的には、経鼻胃管を通じてポリミキシンE、トブラマイシン、アムホテリシンBを投与していた。

 局所投与は4件で、いずれも全般的な適用だった。

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