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BMJ誌から
尿路感染症の疑い例には48時間待機か試験紙検査が有用
5通りの管理法を比較した無作為化試験の結果

 尿路感染症が疑われる患者の中で、実際に感染があるのは6割程度にとどまる。そこで、英Southampton大学のPaul Little氏らは、症状の管理の質を落とさずに抗菌薬の使用を最低限に抑える治療戦略を探すため、プライマリケアで実施できる5通りの管理法を比較する無作為化試験を行った。この結果、試験紙検査の結果に基づいて抗菌薬を投与する方法と、48時間改善が見られない患者に抗菌薬を投与する方法の2つがより優れた選択であることが示された。論文は、BMJ誌電子版に2010年2月5日に掲載された。

 起因菌の薬剤耐性化により、既に尿路感染症患者の20%がトリメトプリムとセファロスポリンに、50%がアモキシシリンに耐性を示すといわれるようになっている。そこで、抗菌薬の使用を最低限に抑えるために、英国のプリマリケアでは、尿路感染が疑われる患者には試験紙検査が広く実施されている。

 今回著者らは、03年6月から05年9月に英国南部のプライマリケアを受診した妊娠していない18~70歳の女性のうち、尿路感染が疑われた309人を登録。無作為に以下の5つの管理法のいずれかに割り付けた。

(1)速やかに抗菌薬を投与(原則としてトリメトプリム200mgを1日2回、3日間):速やかに投与群(66人)

(2)水分摂取を増やすよう助言して48時間以内に症状が改善されない患者には抗菌薬を投与:待機後投与群(62人)

(3)臨床アルゴリズムに基づく抗菌薬投与(尿混濁、尿の異常臭、中等度から重度の夜間頻尿、中等度から重度の排尿障害の2つ以上が認められれば投与を開始。2つ未満だった患者については、48時間後に症状改善が見られないケースのみに抗菌薬を投与):臨床アルゴリズム群(69人)

(4)試験紙検査の結果に基づいて抗菌薬を投与(亜硝酸塩または白血球が陽性で、潜血陽性なら投与を開始。当てはまらない患者については、48時間後に症状改善が見られないケースにのみ抗菌薬を投与):試験紙群(58人)

(5)中間尿検査の結果を待って抗菌薬を投与(微生物学的検査の結果が判明するまで対症療法を行い、陽性なら抗菌薬投与を開始):中間尿群(54人)

 患者には、排尿困難、血尿、日中と夜間の排尿頻度、尿臭、腹痛、全般的な体調不良感、日常活動の制限などといった症状を毎日7段階(0:症状なし、1:ほんのわずかな問題あり、2:わずかな問題あり、3:やや悪い、4:悪い、5:非常に悪い、6:最悪)で評価し記録するよう依頼した。

 主要アウトカム評価指標は、2~4日時の症状の重症度、症状の持続期間、抗菌薬使用に設定。分析はintention-to-treatで行い、「速やかに投与群」を対照とした。

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