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BMJ誌から
早期肺癌診断後の禁煙でも死亡や再発のリスクが減少
非小細胞肺癌で禁煙した場合、5年生存率に37%の差

 喫煙者が早期肺癌と診断された時点で禁煙した場合でも、全死因死亡や再発のリスクが有意に低下することが、英Birmingham大学のAmanda Parsons氏らが行った系統的レビューとメタ分析で判明した。論文は、BMJ誌電子版に2010年1月21日に掲載された。

 喫煙者の肺癌リスクは非喫煙者に比べて高いが、禁煙すれば、ほとんどのタイプの肺癌のリスクは低下する。リスク低下が最も大きいのは小細胞肺癌と扁平上皮癌だ。しかし、癌と診断された後で禁煙した場合にも生存利益が得られるかどうかについては、明らかではなかった。

 肺癌患者の5年生存率はほかの癌に比べ低いものの、早期に発見されるケースが増え、予後が良好な患者が増加していることから、患者に対する積極的な禁煙指導が検討されるようになった。そこで著者らは、癌診断後の禁煙の利益を明確に示すエビデンスを得るために、系統的レビューとメタ分析を行った。

 CINAHL、Embase、Medline、Web of Science、CENTRALに、2008年12月までに登録された研究の中から、無作為化比較試験または観察研究で、肺癌診断後の禁煙が全死因死亡、癌死亡、二次性原発腫瘍の発生、再発に及ぼす影響を調べた研究を探した。

 無作為化試験はなく、喫煙継続者と禁煙者の予後を比較していたコホート研究10件が条件を満たした。10件のうち9件でha、登録されていた多くの患者(75%超)が早期肺癌(非小細胞肺癌のステージ1~3a、または限局型小細胞肺癌)だった。

 5件(4件が非小細胞肺癌対象、1件が小細胞肺癌対象)が全死因死亡について評価しており、4件(1件が非小細胞肺癌、3件が小細胞肺癌)が二次性原発腫瘍の発生、2件(1件が非小細胞肺癌、1件が小細胞肺癌)が再発について評価していた。癌特異的な死亡率を比較していた研究はなかった。

 予後に関連する交絡因子(年齢、性別、組織型、腫瘍の大きさ、病期、術式、術後放射線治療、化学療法、癌の既往、累積喫煙量など)で調整して、禁煙者と比較した喫煙継続患者のハザード比を求めた。

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