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BMJ誌から
英国の新型インフル感染者の死亡率は0.026%
死亡例の多くで抗ウイルス薬の投与開始に遅れ

 英国における新型インフルエンザ2009 H1N1)による死亡率(致命率)は0.026%で、これまでに世界の複数の国で報告されていた確定例の死亡率(0.1~0.9%)より低いことが、英保健省のLiam J Donaldson氏らの分析で明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2009年12月10日に掲載された。

 著者らは、NHSの傘下にある救急期病院とプライマリケアトラストに義務付けられている報告システムを利用して、09年6月1日から11月8日までに報告された2009 H1N1関連死亡例のすべてについて死亡証明書を調べ、感染者の総数を予測した。

 主要アウトカム評価指標は、インフルエンザによる死亡者数と、推定のインフルエンザ症例数の中点値を組み合わせて求めた感染者の死亡率に設定。基礎疾患の有無や、インフルエンザの経過(発症日、入院日、集中治療部門への入院の有無と期間など)、抗ウイルス薬投与の有無とタイミングについても調べた。

 患者の死因が2009 H1N1であると判定する条件は、(1)死亡証明書に2009 H1N1感染が記録されていること、(2)死亡前後に2009 H1N1感染確定例と判定されていること、のいずれかまたは両方とした。調査期間中にこの条件を満たした死者は138人だった。

 症例数については、症候性のインフルエンザでもかかりつけ医を受診しない人々が少なからず存在すると予想し、それらの数も推定して総数に含めた。この結果、この期間の英国における2009 H1N1感染者数は推定54万人(range 24万人~110万人)、人口の約1%となった。

 したがって、死亡率は感染者10万人当たり26(range11~66)と推定された。一般英国民100万人当たりに換算すると、死亡率は2.7(95%信頼区間2.2-3.2)になった。

 死亡者の年齢は0歳から88歳で、中央値は39歳(四分位範囲は17~57歳)。死亡率は5~14歳が最も低く、感染者10万人当たり11(3~36)、65歳以上が最も高く、10万人当たり980(300~3200)だった。一方、累積罹患率は5~14歳が最も高く、10万人当たり3100、65歳以上が最も低く10万人当たり30だった。

 死亡リスクに性差は見られなかった。

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