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BMJ誌から
骨折リスクを検査値なしで推定するアルゴリズムを開発
骨粗鬆症性骨折と大腿骨頸部骨折の10年リスクを推定する「QFractureScore」

 高齢化が進む先進国では、骨粗鬆症は医療サービスに大きな負荷を与える危険性がある。予防のための介入法は複数あるが、効率良く実施するためには、介入によって得られる利益が大きい集団、すなわち骨折ハイリスク者を高い精度で同定できるアルゴリズムが必要だ。そこで英Park大学のJulia Hippisley-Co氏らは、骨粗鬆症性骨折大腿骨頸部骨折の10年リスクを検査値なしで推定するアルゴリズムを作成し、BMJ誌2009年12月5日号に報告した。
 
 骨密度測定は、コストが高く感度が低いため、集団ベースのスクリーニングには適さない。より安価で実用的なハイリスク者同定法が必要と考えた著者らは、英国のプライマリケアで広く使用されているFRAX(骨折リスク評価)アルゴリズム(こちら)に優る、簡便なアルゴリズムを開発しようと考えた。今回作成したアルゴリズム「QFractureScore」(こちら)は、身長と体重以外に検査値を一切用いずに10年間の骨粗鬆症性骨折または大腿骨頸部骨折のリスクを予測するものだ。

 「QFractureScore」の作成には、英国の一般開業医施設を受診した患者のデータを前向きに登録している大規模データベース「QResearch」を利用した。条件を満たした535施設の患者のうち、30~85歳で骨折歴のない男女を分析対象にした。うち357施設の患者を誘導コホート、178施設の患者を確認コホートとした。

 誘導コホートは、118万3663人の女性(789万8208人-年の観察)と117万4232人(804万9309人-年の観察)の男性からなり、初回骨粗鬆症性骨折(椎骨、橈骨遠位端、大腿骨頸部)は女性に2万4350件(1000人-年当たり3.08)、男性に7934件(1000人年-当たり0.99)発生していた。初回大腿骨頸部骨折はそれぞれ9302件(骨粗鬆症性骨折全体に占める割合は38.2%)と3067件(同38.7%)だった。

 確認コホートは、64万2153人の女性、63万3764人の男性からなり、初回骨粗鬆症性骨折は女性に1万3952件、男性に4519件発生。初回大腿骨頸部骨折はそれぞれ5424件と1738件だった。

 多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、初回骨粗鬆症性骨折と初回大腿骨骨折の危険因子をベースラインの患者特性の中から選出した。

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