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BMJ誌から
小児のインフルエンザにおけるNA阻害薬の効果は限定的
治療・予防効果を調べた7件の無作為化試験のメタ分析

 小児の季節性インフルエンザの治療と予防において、ノイラミニダーゼ(NA)阻害薬の効果はそれほど大きくなく、オセルタミビル投与患者では嘔吐リスクが有意に上昇することが、英John Radcliffe病院のMatthew Shun-Shin氏らによる系統的レビューとメタ分析により明らかになった。詳細は、BMJ誌電子版に2009年8月10日に報告された。

 小児の季節性インフルエンザ罹患率は高く、合併症も広く見られる。しかし、インフルエンザによる死亡はまれだ。

 インフルエンザの感染予防策の中心はワクチンだが、パンデミックの場合には、ワクチンの利用が可能になるまでの間、抗ウイルス薬が予防的に用いられることになる。

 著者らは、小児のインフルエンザの治療と予防におけるノイラミニダーゼ阻害薬の安全性と有効性について、最新のデータも含めて分析し、親、医師、さらには国家レベルでの判断に役立つ情報を提供しようと考え、未公表の研究も含む無作為化試験を対象に系統的レビューとメタ分析を実施した。

 2009年6~7月までに、MedlineとEmbase、製薬会社の臨床試験登録、コクランセントラルに登録された無作為化試験の中から、以下の条件を満たす研究を選んだ:臨床的にインフルエンザ感染が疑われる、またはインフルエンザと確定診断を受けている、入院していない12歳以下の小児患者に対し、オセルタミビルもしくはザナミビルを用いた研究、または家族内感染予防を目的として小児に対してこれら薬剤を投与した研究。

 7件(4件が治療、3件が予防に関する研究)が条件を満たした。すべて季節性インフルエンザを対象にしていた。

 主要アウトカム評価指標は、インフルエンザの症状消失までの時間(治療研究)と、発症者と同居する小児のインフルエンザ罹患(予防研究)に設定。

 4件の治療研究は、1766人の小児(1243人が確定例)を登録していた。うち2件はオセルタミビルと偽薬、2件はザナミビルと偽薬を比較しており、3件は、インフルエンザ以外は健康に問題のない小児、1件は喘息患者を対象としていた。A型かB型かを報告していた研究は3件で、55~69%がA型に感染していた。

 感染予防研究は3件(1件がオセルタミビル、2件がザナミビル)で、863人の小児を登録。介入群が427人、対照群が436人で、世帯単位で割り付けられていた。

 症状消失または軽減までに要した時間を偽薬群とノイラミニダーゼ阻害薬群で比較した研究については、報告が不適切であったり、研究間の不均質性が高かったため、プール解析を行えなかった。

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