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BMJ誌から
ホモシステインが超高齢者の心血管死亡予測に有効
伝統的なフラミンガムスコアの予測精度は低い

 心血管疾患歴のない超高齢者心血管疾患リスクを推定する方法は確立されていない。オランダLeiden大学のWouter de Ruijter氏らは、85歳の男女を対象に、伝統的な危険因子に基づフラミンガムリスクスコアと、バイオマーカーを利用した心血管死亡リスク予測法の能力を比較する観察コホート研究を実施した。得られた結果は、ホモシステイン濃度を指標とする方法が最も有効であることを示した。詳細は、BMJ誌2009年1月24日号に報告された。

 超高齢者を対象とする心血管疾患一次予防戦略において、介入の対象者を選ぶためのより正確なリスク評価法が必要とされている。

 フラミンガムリスクスコアは、75歳以下の人々を対象に有効性が確認されたリスク予測法で、年齢が上昇するにつれて予測能力は低下することが示されている。にもかかわらず、適切な代替法がないために、幅広い年齢の集団に用いられている。

 近年、CRP、葉酸、インターロイキン(IL)-6、ホモシステイン、フィブリノーゲン、シスタチンC、トロポニンI、各種リポたんぱく質、アポリポたんぱく質などのバイオマーカーを用いると、心血管疾患ハイリスク患者を選別できることが示唆されている。ただし、それらの予測能力は伝統的な危険因子にわずかに優る程度と報告されていた。

 著者らは、超高齢者の場合には、バイオマーカーを代替として用いる、または伝統的な危険因子にバイオマーカーを追加すると、予測能力が改善されるのではないかと考え、これを検証するLeiden 85-plusスタディを実施した。

 この前向きの観察コホート研究は、1997年9月から1999年9月まで、オランダLeiden氏の一般住民の中から85歳の男女を登録した。住まいを訪問して面接調査を行い、採血と心電図検査を行い、身体機能を評価した。心血管疾患歴の有無は主治医にも確認した。心血管疾患歴以外に除外条件は設けなかった。

 85歳の女性215人、男性87人が条件を満たした。追跡期間は90歳になるまでの5年間に設定された。

 伝統的な危険因子として、フラミンガムリスクスコアにおける危険因子(性別、収縮期血圧、総コレステロール値、HDL-コレステロール値、糖尿病、喫煙、心電図上の左室肥大)、バイオマーカーとして、血漿中のホモシステイン、葉酸、CRP、IL-6を選び、ベースラインで評価した。

 フラミンガムリスクスコアは冠疾患の10年リスクを推定するものだが、今回は5年間の心血管死亡リスクの予測に用いた。スコアに基づいて被験者を3分位群に分け、それぞれを高リスク、中リスク、低リスクとした。

 4つのバイオマーカーについては、Cox比例ハザードモデルを用いて患者ごとに測定値に基づく線形予測スコアを求め、3分位群に分けて、それぞれを高リスク、中リスク、低リスクとした。

 被験者の多くは、自宅で生活している健康な高齢者で、自己申告による生活の質も高かった。

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