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BMJ誌から
低レベルのメラミン曝露では重症腎障害は生じない
香港での大規模スクリーニングの結果

 2008年秋に、中国で粉ミルクなどの乳製品へのメラミン混入が起こり、高用量のメラミンに曝露した小児に、腎臓結石急性腎不全などが発生した。

 これまで、ヒトがメラミンを摂取した場合の害についての情報がほとんどなかったため、流通した製品のメラミン含有量が非常に少なかった香港でも、大規模なスクリーニングが行われた。この結果、メラミン曝露量が低用量にとどまった小児には、重症の腎障害は認められなかった。香港中文大学のHugh S Lam氏らが、BMJ誌2009年1月10日号に報告した。

 中国本土では、5万人を超える小児がメラミン混入製品を摂取したと推定されている。このうち100人を超える小児が重症の腎疾患を発症し、メラミンに起因する死亡も少なくとも4件報告されている。

 メラミンに汚染された乳製品は香港にも流通していたが、メラミン含有量は中国本土で問題になった製品に比べ非常に少なかった。たとえば、中国本土で乳製品から検出されたメラミン含有量は2563mg/kgだったのに対し、香港で流通していた製品の含有量は68mg/kgという報告がある。

 米食品医薬品局(FDA)は、メラミンの耐容1日摂取量として0.63mg/kgを推奨しているが、香港ではこの範囲内の曝露に留まったと考えられている。今回著者らは、こうした低用量のメラミン曝露が小児の腎臓に与える短期的影響を分析した。

 香港政府の腎合併症スクリーニングの対象となったのは、メラミンで汚染された銘柄の乳製品を1カ月以上日常的(週2回~毎日)に摂取した12歳以下の小児。

 プライマリケア施設で一次スクリーニングを行い、メラミン曝露があったと見なされた小児を、Prince of Wales病院内の特別評価センターに紹介。腎臓超音波検査と尿検査(Roche社Combur-Test: 本邦ではBMテストと呼ばれる)により腎機能を評価した。尿検査で潜血陽性となった小児については、顕微鏡的血尿の有無を調べた。また、いずれかの検査で異常が認められた小児には採血も行った。

 今回の分析対象は、2008年9月25日から10月30日までの間に特別評価センターに紹介された3170人(平均年齢6.4歳、1422人が女児、1748人が男児)。

 主要アウトカム評価指標は、腎臓結石と血尿に設定された。

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