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BMJ誌から
慢性GERDにはPPIよりも内視鏡治療が有効
重症患者357人を対象とした無作為化試験の結果

 重症の慢性胃食道逆流症GERD、論文中ではgastro-oesophageal reflux disease;GORDと表記)の患者に、プロトンポンプ阻害薬PPI)などを長期間投与した場合と、内視鏡的噴門形成術を適用した場合、どちらが症状やQOLに改善がみられるのか――。

 この疑問を検証すべく無作為化試験を行ったスコットランドAberdeen大学のAdrian M Grant氏らは、少なくとも術後12カ月までは内視鏡治療の方が良好な転帰が得られることを示した。詳細は、BMJ誌電子版に2008年12月15日に報告された。

 GERD患者の多くは軽症だが、あらゆる薬物療法を試みても症状が持続し、外科治療が必要になる患者も一部に存在する。また、薬物療法(通常はPPI)で症状が抑えられる慢性患者については、日常的または定期的な投与が長期間行われるため、コストは大きくなる。さらに、PPIの長期的な使用の影響を懸念する声もある。

 こうしたことから、近年、最小侵襲手術に期待が集まっている。その一つである内視鏡的噴門形成術は、最大90%の患者において症状を消散させることが可能と報告されている。しかし、内視鏡治療が薬物療法の代替となり得るかどうかについては明らかではなかった。

 そこで著者らは、最適化された薬物療法の代替としての腹腔鏡下噴門形成術の利益とリスク、コストの比較を試みる多施設実務的無作為化試験を実施した。

 英国内の21病院で、2001年3月から2004年6月まで患者登録を行った。対象は、内視鏡検査または24時間pHモニター検査によってGERDと判定された患者で、症状が12カ月を超えて持続しており、ガイドラインに基づいてPPI(またはその代替薬)を用いた維持療法と内視鏡治療のいずれかが適応と見なされた人々とした。

 条件を満たした357人の患者を、無作為に内視鏡治療群(178人)と薬物療法群(179人)に割り付けた。これらの患者は既に、GERDに対する薬物療法を中央値で32カ月間受けていた。

 また、無作為化試験への参加を拒否した患者の一部を、非無作為化自由選択試験に登録した。計453人のうち、261人が内視鏡治療、192人が薬物療法を選んだ。

 内視鏡治療の術式の選択は担当医の判断に任せた。

 薬物療法群には、Genvalワークショップリポートのガイドラインに基づく最適な薬物療法を適用し、必要に応じて胃腸科専門医が評価と調整を行った。

 主要アウトカム評価指標は、疾病特異的なREFLUX quality of life scoreに設定。これは、逆流その他の症状や有害事象、合併症を0~100ポイントで評価するもので、高スコアであるほど状態が良好であることを示す。評価は、内視鏡治療後3カ月と12カ月の時点、薬物療法群ではこれに相当する時期に、患者に質問票を郵送し、得られた回答を元に行った。

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