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BMJ誌から
超高齢者の3割は転倒後も長時間起き上がれず
脱水、低体温、肺炎、褥瘡などのリスク上昇の懸念

 加齢と共に転倒リスクは上昇するが、筋肉の衰えから自分で起き上がることが難しくなる。長時間床に横たわったままでいると、脱水、低体温、肺炎、褥瘡などの合併症リスクが上昇する。そこで、英Cambridge大学のJane Fleming氏は、90歳以上の高齢者の転倒の実態を1年間にわたって調べた。その結果、超高齢者の3割が、転倒後起き上がれずに1時間以上横たわったままの状態を経験していることが明らかになった。詳細はBMJ誌電子版に2008年11月17日に報告された。

 著者らは、90歳以上の高齢者が転倒後起き上がれない状態になることが実際にどの程度あるのか、また、1人で過ごす時間の長い高齢者が、転倒時などに利用できる呼び出しアラームを利用しているのかを調べるコホート研究を行った。

 集団ベースの前向き研究Cambridge City over-75s Cohort(CC75C)の参加者が、すべて90歳代となった2002~2003年に、転倒に関する情報を1年間収集した。対象となったのは91~105歳の110人(女性90人、男性20人、年齢の中央値は94歳)。居住形態は、市中在住、ケア付き住宅(集合住宅でコールすれば介護者が駆けつける)在住、介護施設入所のいずれかとした。

 転倒に関する情報は、電話、手紙、看護師の訪問を通じて収集。転倒後に手助けなしで起き上がれたかどうか、床の上に横たわっていた時間の長さ、あらゆる外傷、非常呼び出しシステムを用いて助けを求めたかどうかなどについて報告を受けた。

 アウトカム評価指標は、1人で起き上がれない転倒、床に長く横たわっていた転倒と、非常呼び出しシステムの利用可能性、実際に使用したかどうかなどに設定。

 110人のうち66人(全体の60%、56人が女性、10人が男性)が1年間に1回以上転倒していた。転倒があったグループとなかったグループの特性を比較すると、転倒あり群で、歩行能力、階段昇降能力などが低い傾向が見られたが、差は有意ではなかった。唯一有意差が見られたのは、前年の転倒。追跡期間中に転倒があったグループでは、前年の転倒経験者が有意に多かった。

 追跡期間中の転倒件数は計265件で、転倒者はほとんどが2回以上転倒していた。120件(45%)が市中在住者、62件(23%)がケア付き住宅在住者、83件(31%)が介護施設入所者に発生していた。

 265件中217件(82%)は高齢者が1人でいるときに発生していた。自力で起き上がれなかった転倒は176件(66%)。転倒者の80%に相当する53人が少なくとも1回以上、転倒時に起き上がれない状態を経験していた。

 40件(転倒件数の15%)で高齢者は1時間以上現場に横たわっていた。人数で言うと20人(転倒者の30%)がこうした状態を経験した。

 床に横たわっていた時間は、転倒後に起き上がるための運動能力と、介助の有無に依存していた。

 5分未満で起き上がることができた転倒は全体の43%に相当する114件。うち46件は手助けを必要とした。

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