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BMJ誌から
BCG接種の管針法、効果と安全性は皮内接種と同等
1万人超を対象とした無作為化試験の結果

 BCGの接種に当たり、日本では1966年から採用されている管針法による経皮接種を行っても、WHOが推奨している皮内接種と比べて有効性、安全性が同等であることが、南アフリカCape Town大学のAnthony Hawkridge氏らが行った無作為化試験により明らかになった。論文は、BMJ誌電子版に2008年11月13日に掲載された。

 BCGの投与ルートは複数あるが、WHOは現在、皮内注射のみを推奨している。このため、世界のほとんどの国で皮内注射が採用されており、経皮接種を行っている国は、2000年の時点で日本と南アフリカだけとなっていた。

 その南アフリカでも、1999年、保健省がWHOの勧告に従い経皮接種から皮内接種へ変更することを決定した。だが、これまで、BCGの特定の投与ルートの安全性、免疫原性などが他のルートに比べて優ることを明確に示したエビデンスはなかったため、保健省は、決定と同時にこれら接種法の有効性と安全性を比較する研究の実施を求めた。

 そこで著者らは、出生時にBCGの皮内接種または経皮接種を受けた乳児について、2年間の結核罹患率を比較する無作為化試験を行った。

 南アフリカのケープタウンの北東100kmの地域で、2001年1月26日から2004年7月31日まで新生児を登録。追跡は児の2歳の誕生日または2006年7月31日まで実施した。

 1万1680人の新生児を無作為に皮内接種(5905人)または経皮接種(5775人)に割り付け、生後24時間以内に接種した。用いられたのはTokyo 172 BCGワクチンで、皮内接種群には0.05mL(20×106コロニー形成単位/mL)を投与、経皮接種群には、ワクチン1滴(3×109コロニー形成単位/mL)を塗布して9本針植付けの管針を用いて2カ所に押し付ける方法を用いた。

 2歳未満に結核が疑われた場合には、診察とX線検査、結核皮膚テスト、HIV検査、胃吸引物と痰からの細菌培養を行った。

 細菌培養で結核菌陽性、PCR検査でも陽性となった患者を確定例と定義した。可能性例と疑い例は、X線画像と臨床情報に基づくアルゴリズムを利用して判定した。

 主要アウトカム評価指標は、Mycobacterium tuberculosis感染の確定例、または可能性例、疑い例とし、あらかじめ同等性のマージン(これを超えれば臨床的に意義のあるレべルの差が存在すると考えられる数値)を設定して帰無仮説を検証した。2次アウトカム評価指標は、有害事象発生率、あらゆる原因または結核による入院と死亡に設定し、Intention-to-treatで分析した。

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