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BMJ誌から
ペイ・フォー・パフォーマンスで血圧管理の“格差”が消失
英国での導入後3年で貧困地域のプライマリケアの質が向上

 心血管イベントの予防において血圧の管理は極めて重要だ。しかし、社会的貧困度が高い地域では、目標とする血圧値を達成できる患者の割合は低い。ところが、2004年にペイ・フォー・パフォーマンス(pay for performance:P4P)システムを導入した英国では、2007年までの3年で、貧困度が最も高い地域と最も裕福な地域の間の血圧管理レベルの差がほぼ消失したという。英London大学King's CollegeのMark Ashworth氏らが、P4Pデータの分析に基づく結果をBMJ誌電子版に2008年10月28日に報告した。

 英国では、2004年にすべての一般開業医に対して、QOF(Quality of Outcomes Framework)と呼ばれるP4Pプログラムの適用が始まった。これは、規定された臨床指標を用いてプライマリケアの質を評価するシステムで、指標(現在では135の指標が用いられている)の多くは公衆衛生面で重要であり、公衆衛生におけるプライマリケアの役割拡大を実現するものになっている。

 臨床指標ごとに標準的な達成目標値が設定されており、目標が達成されれば診療所に対して成果報酬が支払われるしくみだ。こうしたインセンティブは、プライマリケアでの診療の質の向上を意図している。

 QOF適用後に行われたいくつかの調査の結果は、システム導入が、異なる集団、特に社会的な貧困度が高い集団と低い集団の間に存在する、医療面での不平等を縮小する可能性を示していた。

 著者らは今回、2004年4月から2007年3月までのQOFデータを利用して、社会的貧困度の高い集団と低い集団における血圧管理レベルの変化を調べ、QOF導入の公衆衛生面への影響を評価する後ろ向き研究を行った。

 著者らは、P4P導入1年目(2004~2005年)については、8515カ所の診療所(全体の99.3%)から、2年目は8264カ所(98.3%)、3年目は8192カ所(97.8%)からデータを得た。

 QOFでは、血圧は45歳以上の患者のすべてに対し毎年測定を目標としている。また、5つの慢性疾患(高血圧、冠疾患、脳血管疾患、糖尿病、慢性腎疾患)の患者については、血圧の目標値を設定している。

 そこで、各診療所に登録されている45歳以上の患者に占める過去5年以内に血圧測定を受けた人の割合と、5つの慢性疾患の有病率、そして、それぞれの疾患ごとに設定された目標血圧値を達成した患者の割合を求めた。

 貧困度については、診療所が存在する場所の貧困度を教育レベルや犯罪などの観点も含む複合指標により判定。最も貧困度が高い5分位群に分類される地域に存在する診療所の登録患者と、最も貧困度が低い(裕福な)5分位群に分類される地域に存在する診療所の登録患者を比較した。

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