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BMJ誌から
クリーンな暖房器具を使うと小児喘息の症状が軽減
ニュージーランドでの介入研究

 喘息症状と室内環境の関係を示すエビデンスが、近年蓄積されている。ニュージーランドOtago大学のPhilippa Howden-Chapman氏らは、機密性の高い家屋で使用する暖房器具を、クリーンで効率の良いものに換えると、患児の喘息症状が軽減し、生活の質の向上が期待できることを示した。詳細は、BMJ誌電子版に2008年9月23日に報告された。

 気温の低さと空気の汚れは、喘息症状の悪化をもたらす。ニュージーランドの家庭の約3分の1は、排気管のないガスヒーターを使用している。そうした暖房器具は、室内の二酸化窒素濃度を高める。二酸化窒素は、炎症を誘発し呼吸器系症状を悪化させることが知られている。

 機密性の高い家屋では、室内の空気を汚さない、より効率的な家庭用暖房器具(ヒートポンプ、木質ペレットバーナー、排気管のあるガスヒーター)の使用が望ましい。著者らは、クリーンな暖房器具が小児喘息患者に明確な利益をもたらすかどうかを調べることにした。

 この無作為化比較試験は、ニュージーランドの8地域で行われた。現行のニュージーランド建築基準法に沿った気密性を有する家屋で、旧式の暖房器具を使用していた家庭のうち、医師から喘息と診断されており過去1年間に症状があった6~12歳の小児がいる349世帯(1世帯当たり1人の小児を登録)を対象とした。

 2005年の冬(6月から9月)をベースラインとし、一連の情報を収集した。

 2006年の冬が始まる前に、介入群(小児175人、平均年齢10.06歳)にはクリーンで効率の良い暖房器具(3種類の中から選択。131世帯がヒートポンプ、39世帯が木質ペレットバーナー、5世帯が排気管付きガスヒーターを選んだ)を設置。対照群(174人、10.02歳)は従来通りの器具を冬の間使用した。追跡期間が終了した2006年の冬の終わりに、対照群にもクリーン暖房器具が提供された。

 患者の両親に、2006年冬季の小児の健康状態、医療サービスの利用、呼吸器系の症状、住宅環境などについて報告を求めた。二酸化窒素レベルは月1回4カ月間測定。居間と小児の寝室の室温は1時間ごとに記録した。

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