日経メディカルのロゴ画像

BMJ誌から
神経筋機能訓練で脚部損傷リスクが66%減少
足を軸にした回転運動が欠かせないスポーツ選手に有効

 ハンドボールやバスケットボールなど、足を軸にした回転運動が欠かせないスポーツでは、急性の脚部損傷、特に足首や膝の靱帯損傷の発生が多く、重症化しがちだ。そうしたタイプの競技の一つであるフロアボールの女性選手を対象に、神経筋機能訓練の有効性を調べるクラスターランダム化比較試験の結果、訓練が非接触性の脚部損傷リスクを66%低減することが明らかになった。フィンランドUKK健康増進研究所のKati Pasanen氏らの報告で、詳細はBMJ誌2008年7月12日号に掲載された。

 これまで、神経筋機能を訓練すると、足首と膝の損傷リスクが下がるとの報告はあったが、介入研究ではその効果は証明されていなかった。著者らは、欧州で近年、普及しはじめたフロアボールに着目した。ユニホッケーとも呼ばれるフロアボールは、屋内でプラスティック製スティックを使って行う競技で、アイスホッケーに似ているが、激しいボディチャージは禁じられている。

 このスポーツは、足首と膝の非接触性の事故が多く、著者らはトップクラスの女性選手で1人-年当たり0.6件と推測している。著者らは、そうした選手を対象に、系統的な神経筋訓練プログラムが非接触性の脚部損傷の予防に有用かどうかを調べることにした。

 2005年4~5月に、フィンランドでトップレベルの選手を要する28チームに所属する女性の中から、条件を満たした475人(平均年齢24歳)を登録した。ベースラインで身体計測を実施し、さらに質問票を使って、フロアボール経験、シーズン前のトレーニング量、損傷歴などを調べた。

 割り付けはチーム単位で、どのレベルのリーグに参加しているか、練習場の床の材質などにも配慮して行った。対照群に割り付けられた14チーム210人には、通常通りのトレーニングを行うよう指示した。

 介入群に割り付けられたのは14チーム265人。介入は2005年9月1日から2006年2月28日まで行われた。神経筋機能訓練プログラムは、選手の運動技能と身体コントロール能力を高めること、特殊な動作を行うために神経筋システムを活性化し準備することを目的として、UKK研究所の医学運動指導スタッフによって開発された。

 介入期間の最初に、各チーム1~2人の選手にトレーニングの実施法を説明し、チームに、解説用パンフレットと、バランスボード(円形の板の裏に支点となる突起が存在し、ボードの上に立つとボードが不安定な動きをするためバランス感覚が養われる)、バランスパッド(マットの弾力性がその上に立つ人を不安定な状態にする)、メディシンボール(直径28センチで1kgのもの)を各8個ずつと、トレーニング日記を提供。日記には、神経筋機能訓練に参加した選手の数とトレーニング内容、継続時間を記録するよう依頼した。

この記事を読んでいる人におすすめ