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BMJ誌から
筋力が弱い男性は死亡リスクが高い
20~82歳を対象とした前向きコホート研究の結果

 20~82歳の男性を対象に、筋力と全死因死亡、心血管死亡、癌死亡の関係を調べた結果、筋力が弱い男性は全死因死亡、癌死亡のリスクが高いことが明らかになった。スウェーデンKarolinska研究所のJonatan R Ruiz氏らの報告で、詳細はBMJ誌2008年7月12日号に掲載された。

 筋力は日常的な活動性を左右し、さらに慢性疾患の予防にも筋力強化が大切だと考えられるようになり、現在では、健康増進のための施設の多くが筋力トレーニングを取り入れている。これまで、筋力と全死因死亡の間には負の相関関係があると報告した研究は複数あったが、筋力といっても握力を測定している研究がほとんどだった。また、追跡期間が4~6年と短い、あるいは65歳以上の高齢者のみを対象とした研究が多かった。

 著者らは、20~82歳の広範な年齢の男性を対象に、筋力と全死因死亡、心血管死亡、癌死亡の関係を調べる前向きコホート研究を行うことにした。米国テキサス州のCooper Clinicで、1980~89年の間に総合的な健康診断と筋力測定を受けた1万265人の男性を登録。これらの人々は、慢性疾患予防を目的とした健康診断とカウンセリング、生活指導を受けるためにクリニックを訪れていた。

 ベースラインでBMI、血糖値、血圧、血中脂質量などを測定。医療歴(心血管疾患、高血圧、糖尿病、癌の既往や家族歴と、喫煙、飲酒、身体活動レベルなど)について質問し、回答を得た。

 筋力は、上半身(ベンチプレス)と下半身(レッグプレス)について標準的な方法を用いて評価し、1RM(1回だけ持ち上げられる最大重量)を求めた。開始重量は、ベンチプレスが体重の70%、レッグプレスは100%とした。ベンチプレスとレッグプレスの結果を合わせてスコア化し、対象者を「筋力低」(2920人、平均年齢42.8歳)、「筋力中」(2919人、42.3歳)、「筋力高」(2923人、41.8歳)に3等分した。

 また幅広い年齢の成人の罹病と死亡の独立した予測因子として知られている指標に、心肺適応度CRF)がある。これは、健康な人ばかりでなく、糖尿病、高血圧、メタボリックシンドローム、ある種の癌の患者にも当てはまる。そこで今回の試験でも、修正Balke法に基づいてCRFを評価した。CRFは、傾斜を最大にしたトレッドミルを用いた負荷試験で測定。疲労で自ら歩行を中止、または医師が中止を命じるまでの運動時間と、最大代謝当量(METs)を求めた。CRFに基づいて適応度が低い方から20%をCRF低群、それ以外をCRF高群とした。

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