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BMJ誌から
ホルモン補充療法で胆嚢疾患リスクが64%上昇
経口よりも経皮投与の方がリスクは低い

 ホルモン補充療法HRT)を受けている閉経女性を対象に、ホルモンの投与法や用いられた薬剤の種類と胆嚢疾患罹患率の関係を調べる大規模前向きコホート研究の結果、HRTを受けている閉経女性では胆嚢疾患リスクが64%上昇すること、経皮HRT(パッチ)の方がリスク上昇幅は小さいことが明らかになった。英国Oxford大学のBette Liu氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に7月10日に報告された。

 HRTにより胆嚢疾患(胆石症胆嚢炎胆嚢摘出術)のリスクが上昇すると報告した無作為化試験や観察研究は複数ある。また、そのメカニズムとして、経口投与されたエストロゲンは肝臓で代謝され血流に入るため、肝臓を経由しない経皮投与であれば、胆嚢疾患への影響は少ないという説が報告されている。

 そこで著者らは、イングランドとスコットランドのNHS乳癌スクリーニングセンターを1996~2001年に訪れた、50~69歳の女性130万人を対象に行われた集団ベースの前向き研究「Million Women Study」の登録者の中から、100万1391人の閉経女性(平均年齢56歳)を抽出し、NHS病院のデータを定期的に調べて胆嚢疾患による入院について調べた。

 主要アウトカム評価指標は、胆嚢疾患による入院または胆嚢摘出の調整相対リスクと標準化発生率に設定した。相対リスクはCox比例ハザード分析により求めた。調整は、登録地域、社会経済的地位、BMI、出産歴、年齢、子宮摘出術で行った。

 分析対象となった女性のうち、32%がベースラインでHRTを受けていた。過去にHRTを受けていた女性が18%いた。HRT中のグループでは、77%が経口HRT、18%が経皮HRT、5%がその他のHRT(埋め込み型など)またはタイプ不明だった。

 ベースラインでHRT中だった女性で、平均2.8年後の再調査時にHRTを中止していた人の割合は、経口群10%、経皮群9%。再調査時もHRT中だった女性のうち、経口HRTから経皮HRTに変更していた人の割合は1年当たり1%、逆に経皮HRTから経口HRTに変更していた人は1年当たり4%だった。

 610万2811人-年(平均6.1年)の追跡で、胆嚢疾患による初回入院は1万9889人、時期は登録から平均3.3年後だった。胆嚢摘出術を受けた女性は1万7190人(86%)いた。

 HRT歴なし群に比べ、HRT中の女性は、胆嚢疾患で入院するリスクが高かった(相対リスク1.64、95%信頼区間1.58-1.69)。過去にHRT歴あり群のリスクは1.27(1.22-1.32)で、これらの女性のリスクは、治療中止後、時間経過と共に低下していた(傾向のP=0.004)。しかし、使用中止から10年を超えても、HRT歴なし群に比べるとリスクは有意に高かった(1.19、1.10-1.29)。

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