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BMJ誌から
ネガティブな感情は冠疾患リスクを1.3倍に
ポジティブな感情は冠疾患の予測の役に立たず

 感情が冠疾患リスクに影響を及ぼすかどうかを調べる前向き研究の結果、ネガティブな感情は冠イベントの独立した予測因子であることが明らかになった。フランスINSERMのHermann Nabi氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に2008年6月20日に掲載された。

 不安、敵愾心/怒り、うつといったネガティブな感情は、弱い場合には平静、平穏といった状態を保つことができるが、強い場合は苦悩、不快、不満、絶望を感じる。一方、ポジティブな感情が強い場合には、気力があふれ、高い集中が可能で、気分良く物事に取り組むことができる。ポジティブな感情が弱い場合には、悲しみと無気力感に包まれる。

 これまで、心臓疾患と心理的要因の関係を調べた研究は、ネガティブな感情、特にうつに焦点を当てたものであり、ポジティブな感情については冠疾患に影響を与えるかどうかは明らかではない。著者らは、ポジティブな感情とネガティブな感情と、その後の冠疾患イベントの間の関係を調べる前向きコホート研究を実施した。

 対象となったのは、1985年の時点でWhitehall II試験に登録された、ベースラインで冠疾患歴がなかったLondonの公務員1万308人(35~55歳で男性が6895人)。Bradburn Affect Balance Scaleを用いて、1期(1985~88年)と2期(1989~90年)にポジティブな感情とネガティブな感情を評価した。

 この評価指標は10アイテムからなり、5つが過去数週間のポジティブな感情、残りの5つがネガティブな感情を評価する。ポジティブな感情、ネガティブな感情共に0~15ポイントで現される。

 著者らは、ポジティブな感情については、低(0-4ポイント)、中(5-7ポイント)、高(8-15ポイント)、ネガティブな感情は、低(0-1)、中(2-3)、高(4-15)の3群に分けた。感情バランス尺度は0(感情バランスが低い)-30ポイント(感情バランスが高い)で現されるため、低(0-16)、中(17-20)、高(21-30)の3群に分類した。

 主要アウトカム評価指標は冠疾患イベント(致死的冠疾患、非致死的心筋梗塞、初回狭心症)に設定し、2期(1989~90年)から7期(2003から04年)の間の発生を調べた。平均追跡期間は12.5年だった。

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