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BMJ誌から
心血管リスク評価では貧困度や人種も考慮すべき
心血管リスク予測スコア「QRISK2」を開発

 より精度の高い心血管リスク予測を目的として、様々な人種や居住地域の貧困度といった要因を追加した心血管リスク予測スコア「QRISK2」が開発された。英国Park大学のJulia Hippisley-Cox氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に2008年6月23日に掲載された。

 10年以内に心血管イベントが起こるリスクが20%以上のハイリスク者には、スタチンを用いた心血管1次予防の実施が推奨されているが、フラミンガムスコアを代表とする既存のリスク評価ツールは、社会経済的な要因や人種を考慮に入れていないため、一部の人々のリスクを過小評価し、1次予防を受けられない集団を生んでいる可能性がある。

 英国民のための心血管リスク予測スコア「QRISK」は、フラミンガムスコアより正確なリスク評価を目的として作成された(2007.7.31「全世界がフラミンガムスコアで良いのか?」参照)。さらに効率良い1次予防の実施を可能にするリスク評価ツールが必要と考えた著者らは、英国のイングランドとウェールズ地域在住の異なる民族集団に属する人々の10年リスクを正確に推測するため、QRISKに、人種、貧困度と、心血管リスクに影響する可能性のある糖尿病や関節リウマチ、腎疾患などの要因を組み込むことにした。

 まず、前向きのオープンコホート研究により、リスク評価ツールに組み込む危険因子を決定した。以下の因子を、危険因子候補として選んだ。

・人種(白人/不明、インド人、パキスタン人、バングラデシュ人、その他のアジア人、アフリカ系黒人、カリブ系黒人、中国人、その他)
・年齢(歳)
・性別(男性または女性)
・喫煙(喫煙者、禁煙者も含む非喫煙者)
・収縮期血圧
・総コレステロール/HDL-C比
・BMI
・冠疾患家族歴(1親等の親族が60歳未満で発症の有無)
・Townsend貧困スコア(居住地の社会的貧困の指標。失業、過密、自家用車非保有、借家という4つの変数に基づいて物質的貧困度を評価)
・治療中の高血圧(高血圧と診断され、1種類以上の降圧薬を1回以上使用)
・2型糖尿病(有無)
・腎疾患(有無)
・心房細動(有無)
・関節リウマチ(有無) 

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