日経メディカルのロゴ画像

BMJ誌から
椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛を外科手術すべきか?
早期手術と保存的治療のアウトカムは6カ月以降は同じ

 椎間板ヘルニアに起因する坐骨神経痛の治療には、外科手術と保存的治療があるが、この外科手術と保存的治療のアウトカムを比較する無作為化試験の結果、下肢痛と障害の改善は手術の方が速やかだが、両群間の差は6カ月までに消失し、割り付けから2年後まで同等であることが明らかになった。オランダLeiden大学のWilco C Peul氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に2008年5月23日に報告された。

 欧州では、1000人当たり5~10人が毎年新たに坐骨神経痛を発症していると報告されている。当初6週間の間に下肢痛の軽減が見られる患者が70%を占め、残りの30%に対しては手術の適用が推奨されている。

 著者らは、手術と保存的治療のアウトカムを比較した多施設前向き無作為化試験を実施し、追跡1年目の結果を2007年にNEJM誌に報告ている(2007;356:2245-56)。今回の論文は、2年後までの追跡結果をまとめたものだ。

 試験は、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛に対する長期的な保存的治療と手術の早期適用のアウトカムを比較するために、オランダの9病院で行われた。2002年11月~2005年2月にこれらの病院を受診し、条件を満たした18~65歳の患者283人を登録した。すべて坐骨神経痛が6~12週持続しており、椎間板ヘルニアが確認された患者だ。

 無作為に、2週間以内に顕微鏡視下椎間板ヘルニア切除術を実施する群と、保存的治療(鎮痛薬の投与、時間経過とともに日常的な活動の再開を促すなど)を6カ月間継続する群に割り付けた。保存的治療群の患者で、6カ月を過ぎても痛みが続き鎮痛薬に反応しない患者には手術を適用した。下肢痛が強まる、または神経障害が進行する患者については、6カ月を待たずに手術を行った。

 141人が早期手術群に割り付けられ、うち125人(89%)が手術を受けた。割り付けから手術までの期間の中央値は1.9週だった。

 保存的治療に割り付けられた142人のうち、62人(44%)に手術が必要だった。1年目に55人(実施時期の中央値は14.6週)、2年目に7人が手術を受けた。なお、両群で手術を受けた患者のうち、6%が2年以内に再手術を受けていた。

 手術の合併症は1.6%に見られた(硬膜損傷2件、創傷血腫1件)。試験期間中に23人(8%)が追跡から脱落した。

 主要アウトカム評価指標は、Roland障害質問票による坐骨神経痛の程度の評価、100mm Visual Analogue Scale(VAS)による下肢痛強度の評価、7ポイントのLikert自己評価スケールに基づく全般的な知覚障害の回復度に設定された。2、4、8、12、26、38、52、72、104週時に評価を実施した。

この記事を読んでいる人におすすめ