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BMJ誌から
小児期発症1型糖尿病の進行の予測因子はHbA1c
微量アルブミン尿出現とマクロアルブミン尿症への進行を予測

 小児期発症1型糖尿病患者における微量アルブミン尿の出現とマクロアルブミン尿症への進行の予測因子の探索を試みた結果、ヘモグロビンA1cHbA1c)高値が唯一の危険因子であることが明らかになった。英Cambridge大学Addenbrooke’s HospitalのRakesh Amin氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に2008年3月18日に掲載された。

 成人の1型糖尿病患者において、微量アルブミン尿は腎臓の構造的な変化を早期に知ることができるマーカーであると共に、マクロアルブミン尿症の危険因子だ。マクロアルブミン尿は、その後の末期腎疾患発症、冠動脈死亡リスクを高めることが知られている。

 成人では、微量アルブミン尿出現から6~8年で正常アルブミン尿に戻る患者が31~58%存在する。関連する修飾可能な因子は、血糖値管理、血圧、血中脂質量などと報告されている。また小児期発症1型糖尿病患者では、微量アルブミン尿の累積有病率は糖尿病発症から5~10年後で12~25%と報告されている。そのため小児患者における微量アルブミン尿の出現を予測し、介入法を確立することは、患者の予後において重要だ。

 著者らは、小児糖尿病患者のアルブミン尿の進行経過を知るために、Oxford地方で1986年から行われた集団ベースの前向き研究の追跡データを分析した。この研究では、1986~97年に、地域在住の10歳未満(平均8.8歳)の糖尿病患者で、診断から3カ月以内の527人を登録し、平均9.8年追跡した。毎年1回、身長、体重、血圧を測定するとともに、早朝尿2~3検体を得た。微量アルブミン尿は、それらのうちの2検体以上で、アルブミン/クレアチニン比が男性3.5-35mg/mmol、女性で4.0-47mg/mmolになった場合とした。

 持続性微量アルブミン尿は、年1回の測定で2年連続して陽性の場合とした。また断続的な微量アルブミン尿は、1回の陽性判定後、いったん陰性になり、翌年以降再び陽性となった場合とした。一過性微量アルブミン尿は、1回の陽性判定後に陰性が続いた場合とした。また、マクロアルブミン尿は、アルブミン/クレアチニン比が男性で35mg/mmol超、女性で47mg/mmol超と定義した。

 主要アウトカム評価指標は、HbA1cの測定値と尿中アルブミン/クレアチニン比に設定した。

 1型糖尿病と診断されてから平均8.8年経過している患者527人を5182人-年追跡したところ、135人(26%)が微量アルブミン尿陽性となった。微量アルブミン尿の累積有病率は、糖尿病発症から10年後で25.7%(95%信頼区間21.3-30.1)、19年後では50.7%(40.5-60.9)と上昇した。

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