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慢性腎疾患患者へのスタチン投与は有効
CKDのステージとはかかわりなく心血管リスクを低減(3/14訂正)

 慢性腎疾患CKD)患者に対するスタチンの有効性と安全性を評価した結果、スタチンはCKDのステージとは関わりなく、心血管イベントリスクを低減することが示された。オーストラリアSydney大学のGiovanni F M Strippoli氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に2008年2月25日に掲載された。

 CKD患者は、心血管イベントリスクが高いことが知られているが、これには高血圧、糖尿病、喫煙などとともに脂質異常症が関与している。また血中脂質量の上昇は、腎疾患の進行にも関係する。しかし、CKD患者に対するスタチン投与が心血管系と腎臓に及ぼす影響を調べた研究は少ない上、結果にばらつきがあった。そのため、各国の治療ガイドラインは、CKD患者のコレステロール値をどのように管理すべきかについて、共通する見解を示していないのが現状だ。

 そこで著者らは、CKD患者全体と、病気のステージごとに分類した患者(透析前、透析中、移植後)に対するスタチン投与の利益と害を調べるメタ分析を実施した。

 各種データベースから、CKD患者を対象に、スタチンとプラセボ、またはプラセボなしの結果を比較した研究、またはサブスタディを選出した。対象は、無作為化試験と準無作為化試験とした。

 50件の研究(被験者は3万144人で、54件の比較を行っていた)が条件を満たした。透析前患者を対象とした比較は26件、透析患者を対象としたのは11件、移植患者を対象としたの17件だった。

 プラセボに比べ、スタチン群では総コレステロール値が有意に低下していた(42件の比較、対象となった患者数は6390人、ランダム効果モデルに基づく加重平均差は-42.28mg/dL、95%信頼区間-47.25から-37.32)。

 結果は不均質だったが、主にスタチンの種類とベースラインのコレステロール値に起因していた。スタチンの種類は、アトルバスタチンセリバスタチンの方が、他のスタチン系薬剤よりコレステロール降下作用が有意に高かった。

 スタチン群ではLDL-cも低く(39件、6219人、-42.12mg/dL、-47.85から-38.40)、作用はやはりスタチンの種類によって有意に異なっていた。

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