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2型糖尿病患者への6時間の集団教育の効果は
体重減少、禁煙などに限られるも12カ月後まで持続

 2型糖尿病と診断されて間もない患者に、病気に関する理解を深め生活改善を促すための構成的集団教育を行い、12カ月間追跡した結果、通常のケアを受けた患者と比較して、ヘモグロビンA1c(HbA1c)値の改善には有意差はないものの、体重減少および禁煙の割合が有意に高いことが示された。英国Leicester大学のMelanie J Davies氏らの報告で、詳細はBMJ誌電子版に2008年2月14日に掲載された。

 英国では、医療サービスが目標とすべき基準を示したNSF(National Service Framework)が、糖尿病と診断された患者すべてに対する構成的教育の実施を奨励している。しかしこれまで、診断直後の教育効果を示すエビデンスはなかった。また、診断直後にプライマリケアで適用できるプログラムもなかった。そこで、糖尿病患者のための教育プログラムの作成と有効性の評価を目指したのが、英国の医療保険制度NHS (National Health Service)のDESMOND (Diabetes Education and Self Management for Ongoing and Newly Diagnosed)プログラムだ。

 構成的集団教育は、学習に関する心理学的理論に基づき、広範な患者に適用可能で日常診療に組み込めるカリキュラムとして設計された、患者のエンパワーメントの上に成り立つプログラム。主に生活要因、食品の選択や運動、心血管危険因子などに焦点を当て、自己効力感を持ちながら自らが保有する危険因子を認識し、自分にとって有用で達成可能なライフスタイル修正法を選ぶよう働きかける。治療薬は自己管理戦略の中の一つのオプションと考えるよう促した。

 今回、2型糖尿病新規診断患者を対象に、プライマリケア施設で行う構成的集団教育プログラムの効果を評価する多施設クラスター無作為化試験が行われた。

 試験は、イングランドとスコットランドの一般開業医の診療所の中から、105施設を通常ケア、102施設を集団教育に無作為に割り付けた。それらの施設で、診断から4週以内の成人患者824人を登録した(55%が男性、平均年齢59.5歳)。多くの診療所の医師は何らかの教育を行っていたが、これまでに構成的集団教育を実施していた施設はなかった。

 実施は診断から12週以内とし、正式に訓練された医療従事者2人が、6時間のプログラムを1日または2日に分けて実施。1回のセッションの参加患者の人数は平均5人だった。ベースラインのHbA1c値は介入群で有意に高く(8.3%と7.9%)、経口糖尿病治療薬の使用者も有意に多かった(17%と12%)(いずれもP<0.05)。

 主要アウトカム評価指標は、HbA1c値、血圧、体重、血中脂質量、喫煙歴、運動量、QOL(WHOQOL-BREFを指標とする)、病気に対する考え方、うつ、糖尿病の心理面への影響とし、ベースラインから12カ月後までの変化量を比較した。

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