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重症肺炎の小児患者の薬物療法は?
クロラムフェニコールよりアンピシリンとゲンタマイシンの併用が有効

 極めて重症の市中感染肺炎小児患者の治療法について途上国で検討した結果、世界保健機関(WHO)が推奨するクロラムフェニコールよりも、アンピシリンゲンタマイシンを併用する方が、治療失敗例が有意に少ないことが明らかになった。パキスタンRawalpindi総合病院のRai Asghar氏らの報告で、詳細はBMJ誌2008年1月12日号に掲載された。

 WHOは、咳または呼吸困難があり、肺炎の臨床症状を示し、危険な徴候(チアノーゼ、嚥下障害、意識障害、安静時喘鳴)が見られて死亡の危険性が高い、極めて重症の肺炎に対する第1選択治療として、クロラムフェニコール注射とこれに続くクロラムフェニコール経口投与を推奨している。しかし、この薬剤が標的とする細菌の耐性獲得が進んでいる上に、特に栄養不良の小児には骨髄毒性が懸念される。既に一部の地域では、アンピシリンとゲンタマイシンを使った代替レジメンが用いられている。

 そこで著者らは、クロラムフェニコール治療はアンピシリンとゲンタマイシンの併用に劣ると仮定し、治療失敗を指標として比較するオープンラベルの多施設無作為化試験を途上国で実施した。

 生後2~59カ月の極めて重症の市中感染肺炎患者を、バングラデシュ、エクアドル、インド、メキシコ、パキスタン(2都市)、イエメン、ザンビアの3次病院の入院病棟で選出し、計958人を登録した。喘息患者や、肺炎の症状が現れてから10日以上経過していた患者などは除外されている。

 併用群(479人、平均月齢8.0カ月)には、アンピシリン200mg/kg/日を4回に分けて6時間ごとに投与、ゲンタマイシンは7.5mg/kg/日を1日1回投与した。5日間の入院治療を完了し、退院が可能な状態になった患者には、その後10日分の経口アンピシリン(45mg/kg/日を1日3回に分けて服用)を処方し、1日1回、外来でゲンタマイシンを注射した。

 一方のクロラムフェニコール群(479人、平均月齢7.9カ月)には、75mg/kg/日を8時間おきに5日間投与。退院時には、経口クロラムフェニコール(75mg/kg/日を1日3回に分けて服用)を10日分処方した。

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