
前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病(CML)に対し、ABLおよびSRCチロシンキナーゼを標的とする第2世代チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ボスチニブが、2014年9月26日に日本で承認された。他の第2世代TKIと同等の有効性があり、かつ第2世代TKIを投与した後でも効果を示すことが臨床試験で報告されている。CML 治療の目的は生存の延長であるが、新規TKIによって分子遺伝学的完全奏効(CMR)を維持し、治癒を視野に入れた治療も夢ではなくなってきた。
千葉大学医学部血液内科の中世古知昭氏は、第76回日本血液学会学術集会コーポレートセミナー「CML 治療の課題から考える新規TKIへの期待」(共催:ファイザー)で、海外および国内臨床試験の成績から見えてきたボスチニブの特徴、使用する際の注意点について解説し、今後のCML 治療におけるボスチニブの位置付けについても言及した。