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エリアレビュー・肺癌
クリゾチニブ治療はALK肺癌患者に質の高い生存延長をもたらす【肺癌学会2014】
近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門教授 中川和彦氏

2015/01/22

 ALK 阻害薬クリゾチニブはALK 肺癌のファーストラインにおいて、化学療法よりも有効であることがPROFILE1014 試験で明らかになっています。今回の第55 回日本肺癌学会学術集会では、Tony Mok 氏が同試験のアジア人データを紹介し、その中でクリゾチニブ治療は肺癌に特有な症状の増悪を抑えることが報告されました。クリゾチニブ治療においても副作用はありますが、それ以上に腫瘍縮小による症状の改善が患者さんの全般的なQOLの向上、健康感の向上につながっているものと考えられます。

 肺癌患者さんの生存期間は治療薬の開発により延びてきましたが、その期間における生活の質がはたして改善しているのかという課題がありました。長くなった期間を患者さんにとって価値のあるものにするには、医師とメディカルスタッフが一緒になって、チームで患者さんを診ていくことが重要だろうと思います。

 今年の日本肺癌学会学術集会では学会長を務めさせて頂きました。「Alliance for Lung Cancer -肺がん克服への新たなステップ-」をテーマに、「肺がん医療向上のための京都宣言」(文末の写真)を採択致しました。世界の肺癌領域をリードしてきた日本肺癌学会ではありますが、チーム医療の重要性を含め、これからの肺癌医療は患者さんの視点から取り組んでいこうという心構えを示した「新しい一歩」となりました。

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