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エリアレビュー・腎細胞癌
新たな知見の集積が進む転移性腎細胞癌治療【ASCO2014】
慶應義塾大学泌尿器科学教室講師 水野隆一氏

2014/07/10

 米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)は、既存の薬物治療を大きく変えるような新しいエビデンスが世界で初めて発表され、世界中の耳目を集める場ではありますが、一方でエビデンスがほとんどないような、希少な癌やマイナーなサブタイプ、組織型、セッティングなどに対する新しい知見も発表されるという点で、癌治療における課題を1つ1つ解消していくという姿勢を感じます。

 腎細胞癌領域においても、今回、非常に興味深い発表がありました。それが非淡明細胞癌を対象に、スニチニブエベロリムスの有効性を比較検討したESPN試験です。

 非淡明細胞癌については、現在のところ標準治療と言えるものは確立していません。テムシロリムスとインターフェロン-αを比較したフェーズ3試験ではテムシロリムスにより全生存期間(OS)の改善が認められていますが、これはあくまで非淡明細胞癌を含むPoorリスク症例を対象とした試験の結果でした。また、少数例の検討などでスニチニブの有効性を示唆する結果は得られていますが、まだ確立したものではありませんでした。

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