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jddw2014

JDDW2014に参加して●福井 博 氏(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科教授)
人があふれていたB型・C型肝炎セッション

2014/11/04
談話まとめ:日本消化器関連学会週間取材班

奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科教授の福井博氏

 今年のJDDW2014では、第18回日本肝臓学会大会会長を務めました。企画の段階から深く関わってきたので、どういう意図でプログラムを組んだかについて、まずお話します。

JDDWとして初めて実施した「統合プログラム」
 日本消化器関連学会週間(JDDW)は5つの消化器系学会が共同で開催するため、主題の選定から討議内容に至るまで、構成学会が連携して、いろんな視点や切り口で設定できるという利点があります。そのように連携し策定したのが「統合プログラム」と呼ばれるもので、今年から設けられたセッションです。これまでは、ある学会が提案した主題に他の学会が乗り入れるというセッションはありましたが、統合プログラムのように最初から共同提案という方式は初めてです。

 せっかく複数の学会で企画するわけですから、テーマを決める際には集学的な治療を必要とする領域や学際領域に着目しました。1つの学会の中だけで議論するのではなく、複数の学会の専門医が様々な視点から検討することで、新たな可能性が開けるのではないでしょうか。

 日本肝臓学会が関わったのは、「肝移植後の諸問題」と「転移性肝癌の治療選択」です。前者は、肝移植後には抗ウイルス療法の必要性といった内科の課題だけでなく、胆管が詰まったりしたために胆管のステントを入れ替えるという内視鏡の課題もあります。そこで、肝移植に絡んでどんな問題があるかを様々な立場から話し合ってもらいました。後者は、外科治療、経皮的局所治療、化学療法といった様々な治療法があるので、個々の患者さんにどういった治療が適しているのかを議論していただきました。

 今回のJDDWのもう1つの目標は、国際化の推進です。日本肝臓学会では2つのインターナショナルセッションとして、「肝再生と治療における幹細胞研究:現況と将来展望」と「肝・膵線維化のメカニズム:臨床への展開」を組みました。世界的に有名な研究者をそれぞれ呼び、日本人の若い研究者に英語で発表してもらいました。期待通り、オーソリティーの先生にいろいろ質問していただけたので、若い研究者には良い勉強、刺激になったでしょう。一方、海外の先生方からも、「非常に良い試みだった」と高く評価していただけました。

新薬の発表があったセッションに参加者が多数集まる
 B型肝炎、C型肝炎のセッションは相変わらず参加者が多く、1100席規模の会場にもかかわらず、人があふれていました。新薬が発売されたので、それを現場で使ってみたいと思っている臨床医が集まったのでしょう。恐らく同じ理由で、新しい利尿薬が登場した肝硬変のセッションも予想以上に人が集まっていました。やはり興味深い薬剤が出てくると、それを取り上げたセッションは人気があります。

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