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aasld2014

AASLD2014に参加して●茶山 一彰氏(広島大学消化器・代謝内科学教授)
C型肝炎は経口薬のみによる治療への移行が加速

2014/11/25
談話まとめ:米国肝臓学会取材班

広島大学消化器・代謝内科学教授の茶山一彰氏

 今年の米国肝臓学会(AASLD2014)に参加しての印象ですが、この数年はC型肝炎の発表が多いと改めて感じました。これは治療法の中心がインターフェロン(IFN)から直接作用型抗ウイルス薬(direct-acting antivirus agents:DAAs)に急速に移行しつつあるからでしょう。

 IFNは注射薬であり、全身倦怠感、発熱、頭痛、関節痛といったインフルエンザ様症状がしばしば認められます。うつ病の方だけでなく、心疾患既往や重篤な肝障害、自己免疫疾患、甲状腺機能異常などの患者さんへの投与には制限がかかります。また、IFNと併用されるリバビリン(RBV)には、溶血性貧血などの副作用が知られています。すなわち、IFNを用いた治療法(IFN療法)は治療効果が期待できるものの、対象となる患者さんがどうしても限定されるのが課題でした。

 それに対し、複数のDAAsによる治療はIFNを併用せず、経口投与で済むのが特徴です。最近は、著効(sustained virologic response:SVR)率が高く、副作用が少ない治療薬が次々と開発され、大きな関心を集めています。

日本でもIFNフリー療法は承認済み
 日本でも既にIFNを併用しない治療法(IFNフリー療法)として、ダクラタスビルとアスナプレビルの併用療法が保険適用になっています。ただし、両剤の適応は、ジェノタイプ1型のC型肝炎またはC型代償性肝硬変で、(1)IFNを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者さん、(2)IFNを含む治療法で無効となった患者さんです。すなわち、何らかの理由でIFNが使用できないか、以前IFN療法を受けて効果がなかった患者さんに限られています。従って、これまでC型肝炎の治療を受けたことがない患者さん(初回治療例)や、治療によりC型肝炎ウイルスがいったん消失したものの治療終了後に再び増えた患者さん(前治療再燃例)には、IFN療法が選択肢となります。

 今回のAASLD2014において、私たちは日本人の初回治療例と前治療再燃例を対象に実施したダクラタスビルとアスナプレビルの第3相試験の結果を発表しました。その結果、24週の治療を終了してから12週後のSVR達成率(SVR12)は、初回治療例が89%、前治療再燃例が96%、対照群(初回治療例に対するテラプレビル、ペグインターフェロン、リバビリンの3剤併用療法)が62%でした。また、65歳未満と65歳以上に分けても、IL28B遺伝子多型別に見ても、肝線維化のステージ別に見ても、SVR12に差は特にありませんでした。

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