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 日本における癌死亡率第1位である肺癌の治療は、この十数年で大きく変貌を遂げた。

 EGFR-TKIであるゲフィチニブがEGFR変異陽性の進行肺癌に高い有効性を示し、肺癌の分子標的薬時代が始まった。さらにEGFR-TKIの進歩が、EGFR変異陽性肺癌の予後を大きく伸ばした。次いでALK転座が新たな分子標的として同定され、クリゾチニブアレクチニブなどの分子標的薬が画期的な効果を示した。さらにROS1遺伝子、BRAF遺伝子、RET遺伝子など、様々なドライバー遺伝子変異が同定され、その阻害薬がそれぞれの変異を有する患者の生存期間延長に大きく貢献してきた。

 ドライバー遺伝子変異がない進行肺癌患者にも大きな変革がもたらされた。抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体などの免疫チェックポイント阻害薬の登場である。非小細胞肺癌においては、ニボルマブペムブロリズマブなどが登場し、単剤や化学療法の併用で数年間もの長期間の生存が得られる患者も出てきた。小細胞肺癌においても、抗PD-L1抗体を投与することで生存期間の改善が得られた。また、切除不能なIII期の化学放射線療法後の地固め療法としてデュルバルマブを投与することで、治癒する患者の割合が増加した。

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