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 11月26日から28日に、パシフィコ横浜の会場とオンラインとのハイブリッド形式で開催された第62回日本肺癌学会学術集会。遺伝子検査を行い、分子標的薬を投与するいわゆるプレシジョン・メディシンが最も進んでいるのが肺癌領域である。しかも直前に新たな標的遺伝子としてLTK融合遺伝子の発見が報告されたこともあって、学術集会は遺伝子やゲノムに関連した検査や治療薬の話題が大きな盛り上がりを見せていた。

 その講演を多く聞きながら感じたのは、がんゲノムプロファイリング検査は今後どうなっていくのだろうという思いだった。

 がんゲノムプロファイリング検査は、特定のバイオマーカーの有無ではなく検出された遺伝子異常を総合的に判断して治療選択につなげる検査とされている。よって、薬剤の使用の判断に用いるコンパニオン診断とは種類が異なる。現在、OncoGuide NCC オンコパネルシステム、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルの3種類のパネル検査が、がんゲノムプロファイリング検査として保険で利用できるようになっている。いずれも数多くの遺伝子変異、融合遺伝子を調べることができる。

 がんゲノム医療中核拠点病院(中核病院、2021年9月時点で12施設)、がんゲノム医療拠点病院(拠点病院、2021年9月時点で33施設)、がんゲノム医療連携病院(連携病院、2021年9月時点で180施設)でのみ検査ができる。ただし、搭載された遺伝子の全体または一部について、遺伝子変異や融合、欠失などの情報を総合的に解釈して治療方針を選ぶことが目的であり、専門的知識に基づく解釈が必要になることから、中核病院と拠点病院が行う専門家の会議である「エキスパートパネル」で検査結果から治療方針を検討することになっている。

 そして見つかった変異に対する薬剤がその癌種で承認されていれば、その薬剤を投与、他の癌種で承認されていれば適応外使用として投与、変異に対する薬剤の臨床試験が行われていればその試験に参加するなどの方針が決められる。

 がん遺伝子パネル検査を受けた患者のうち、がん診療データベースにデータを登録することに同意した患者の検査結果や診療情報データは、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)に登録される。がんゲノムプロファイル検査のC-CATへの登録数は、保険診療開始の2019年6月1日から2021年10月末までに2万3768人に上り、特に今年9月と10月は月当たりの登録者が約1500人まで広がっている。

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