日経メディカルのロゴ画像

 2021年度介護報酬改定の重点テーマには、要介護者の自立支援と重度化防止が挙げられた。しかし、介護施設でそうした取り組みを進めて入所者の活動度が向上すると、転倒のリスクも上がってしまうというジレンマがある。高齢者、特に要介護者の転倒を完全に防ぐことが不可能であることは医療・介護関係者にとっては常識といえるが、いざ転倒が起こって入所者が骨折やけがを負った場合、介護施設が責任を問われる例は後を絶たない。

 こうした状況が続く中、日本老年医学会と全国老人保健施設協会は2021年6月11 日、「介護施設内での転倒に関するステートメント」を公表。4つから成るステートメントの1番目には、「転倒すべてが過失による事故ではない」と表明した(表1)。転倒リスクが高い入所者については、転倒予防策を講じていても一定の確率で転倒が発生し、その全てを医療・介護現場の過失による事故と位置付けることはできないと説明している。

表1 介護施設内での転倒に関するステートメント 「介護施設内での転倒に関するステートメント」(日本老年医学会、全国老人保健施設協会、2021年6月11日)より引用。 ※クリックで拡大します

この記事を読んでいる人におすすめ