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記者の眼

「自宅で入浴できないのに意味がない」と断られるケースも
新設加算の算定にケアマネジャーの“壁”
通所系サービスの入浴介助加算(II)、変更内容の説明に課題

 「新設された加算についてケアマネジャーや利用者に説明しているが、なかなか理解を得られず、算定が思うように進まない」。ある通所介護事業所の経営者が改定後の5月にこぼした一言だ。0.70%のプラス改定となった2021年度介護報酬改定で、通所系サービスの通所介護デイサービス)、通所リハビリテーションは共に基本報酬が引き上げられたが、その加算については大きく変更が加えられた。

 例えば今改定における通所介護での主な加算の変更点は、(1)個別機能訓練加算の見直し、(2)ADL維持等加算の見直し、(3)科学的介護推進体制加算の新設、(4)口腔・栄養ケアに関する加算の再編、(5)入浴介助加算の見直し──の5点に整理できる。(3)~(5)は通所介護、通所リハビリの双方に共通する内容で、今改定の目玉であるLIFE(科学的介護情報システム)の活用や、機能訓練/口腔ケア/栄養マネジメントの一体的な取り組みの重要性が反映された内容となっている。

 この中でも特に、「利用者やケアマネジャーへの説明に手間取っている」という事業者の声がよく聞かれるのが、入浴介助加算だ。同加算は加算(II)(通所介護:55 単位/日、通所リハビリ:60単位/日)が新設され、旧加算に相当する加算(I)(40単位/日)は50単位/日から10単位の引き下げになった(図1)。加算(II)は、利用者が居宅などで、自立または家族・訪問介護員などの介助により入浴ができるようになることを目的としたもので、従来の要件に加えて自宅の浴室環境のアセスメント、入浴計画の作成、個浴や利用者の居宅を再現した状態での入浴介助が必要とされている。従来の要件と比べるとかなりの手間が必要だが、一方でこれまで通りのサービス内容を提供して(I)を算定すると、10単位の減収となる。

図1 通所系サービスにおける入浴介助加算の改定内容

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