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記者の眼

人口減少への危機感強める病院の選択

2021/04/21
吉良伸一郎=日経メディカル

 昨年11月、熊本県の中央部に位置する甲佐町に、築130年の古民家を再生したホテルがオープンした。地元有志が組織した一般社団法人パレットと、全国で古民家再生事業を手掛けるNOTE(兵庫県丹波篠山市)が共同で開設したものだ。

 パレットの中心メンバーの1人としてこのプロジェクトを進めたのが、同町の特定医療法人谷田会・谷田病院(85床)事務部長の藤井将志氏だ。パレットでは、他にもキャンプ場の整備やイタリアンレストランの開設・運営などの町づくり事業を展開。町の活性化のためには、これからの地域社会を支える人材の育成が大切との考えから教育の場の整備にも注力しており、幼稚園児から中学生までを教える学習塾も立ち上げた。これは、谷田病院が院内の空きスペースを利用して始めた「放課後自習室」の活動がベースになっている。

 同院のように町づくり事業に積極的に関わる病院は、まだそれほど多くはない。だが今後は、程度の差こそあれ、様々な形で地域おこしに関与するケースが増えるものとみられる。背景にあるのが、人口減少に伴う地域の衰退への危機感だ。

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