日経メディカルのロゴ画像

 医療・介護の経営誌の『日経ヘルスケア』で病院経営の取材に長年携わっている中で、事務職の役割が増している印象を強く受けています。

 昔であれば、取材に対応いただくのは、理事長や院長といった経営トップの医師の方々が中心でした。それが、ここ5年ほどを振り返ると、事務長や医事課長、地域医療連携室長などにお話を伺う機会が増え、さらには、より詳細な医療データや現場の状況を把握している主任などの事務職リーダーの方々に同席してもらうことが目立っています。

 背景には、病院経営の課題が多岐にわたるようになったことがあると考えられます。地域医療構想を踏まえた自院のあり方の検討や、目まぐるしく変わる診療報酬体系への対応、他の医療機関や介護施設・事業者との連携強化、職員の働き方改革の推進──。病院が対処すべき課題は、昔と比べものにならないほど増えています。以前は理事長や院長をはじめとするごく一部の経営層だけで処理できましたが、今はそうはいかなくなっています。

 そのため、事務職の戦力化が欠かせなくなっています。大手企業での勤務経験を生かし、橋本市民病院(和歌山県橋本市、300床)や岡山市立市民病院(岡山市北区、400床)などの経営改善を図ってきた一般社団法人日本病院経営支援機構・理事長の豊岡宏氏は、「病院経営はスペシャリストである医師や看護師など医療職だけではなく、ジェネラリストである事務職が中心になり深く関与する時代になっている」と指摘します。

 事務職には、従来の事務処理中心の業務から脱却して、自院の経営課題を発見し、データ分析などを駆使して解決を図る役割を担うことが期待されているというわけです。

この記事を読んでいる人におすすめ