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記者の眼

COVID-19対策で設置している医療機関は約2割
これから(秋以降)の発熱外来の話をしよう

 いきなり私事で恐縮だが、先日家族が発熱し、その際かかりつけ医の先生に連絡して診てもらった。検査の結果は幸い新型コロナウイルス感染症COVID-19)ではなかったものの、もしも先生が受け入れてくれなかったとしたら、一から病院を探さなくてはならずとても心細かったはずだ。困ったときにすぐに頼れる「地域のお医者さん」のありがたさを実感した。

 COVID-19の影響で、多くの医療機関の外来部門は打撃を受けた。2020年8月19日の中央社会保険医療協議会中医協)では、医科の外来レセプト件数が4、5月にかけて前年同月比で約2割落ち込んだという結果が示された。「少しくらいのかぜでは病院に行かない」など患者の受診行動自体が変化したことも考えられ、影響の長期化も懸念される。日経ヘルスケア9月号では「今すぐ始める!医療機関の経営立て直し大作戦」と題して、COVID-19禍の外来減少対策として9つの取り組みを紹介しているが、その中の1つ「発熱外来の開設」について取り上げてみたい。

 日経ヘルスケアが8月、日経メディカルOnlineの医師会員を対象に実施したアンケートの発熱外来に関する設問では、回答数586件のうち、「発熱外来を設けておらず、今後も開設する予定はない」が440件(75%)、「発熱外来を設けている」が103件(18%)、「発熱外来を設けていないが、今後、開設を予定している」が32件(5%)、「発熱外来を設けていたが、今は設けていない」が11件(2%)。全体のうち、「発熱外来を設けている」または「予定している」のは約2割だった(図1)。

 今回の特集では、診療単価を高めて減収分を補填する方策として発熱外来にスポットを当てた。必要な予防策を講じてCOVID-19疑いの患者を受け入れることで臨時的に算定できる院内トリアージ実施料(300点)に加えて諸検査を実施すると、結果的に診療単価の上昇が期待できるためだ。医療機関のコンサルティングを手掛けるメディヴァ(東京都世田谷区)取締役の小松大介氏は「高齢者や生活習慣病患者が多い医療機関にはリスクが高い方法なので、発熱外来設置を行うべきかどうかはクリニックの患者構成などにもよる」と前置きした上で、「プライマリ・ケアや急性期が中心の医療機関は、準備ができるなら選択肢の一つとして検討してほしい。スタッフに負担をかけることにはなるが、経営的に見れば感染拡大期には、診療単価が高くなるので失った外来の売り上げを取り戻すことも可能だ」と指摘する。

図1 発熱外来についての設問回答結果(日経メディカル Online医師会員を対象に2020年8月18日~23日、ウェブアンケートを実施。回答者数は586人。集計対象者の内訳は、診療所開業医75.4%、診療所勤務医9.4%、病院長6.3%、病院勤務医6.0%など)

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