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「『アビガン』ってコロナに効けへんらしいやん?」

 70歳を超えるうちの母親からもそんな言葉が出るほど、アビガン(一般名ファビピラビル)は「正露丸」や「宇津救命丸」を凌駕する(?)くらいの超有名な薬になっているわけですが、先日の報道を見た一般の方々のほとんどは恐らく、同じような感想を抱いたことでしょう。

 2020年7月10日、藤田医科大学がアビガンに関する臨床研究の結果をオンライン記者会見で公表しました。その結果はご存じの通り、アビガンを投与した群としていない群を比較したところ、各評価項目についていずれも「有意差なし」という結果でした。

 今回、この有意差なしという結果をメディアがどう「翻訳」したかというと、

「アビガン、有効性示されず」
「アビガン効果『確認できず』」
「『アビガン』明確な有効性みられず」

などと、見事なまでに「されず」「できず」「みられず」の否定表現でした。これなら皆が「ああ、ダメだったんだね」と思うのも無理はありません。そう思わせたい意図さえ読み取れます。でもこれだとフェアじゃないというか、ちょっとミスリードですよね。別に富士フイルムの肩を持つわけではありませんが。

 確かに、アビガンについては臨床試験の結果が出る前から安倍晋三首相が「5月末に承認する」などと発言し、その半端ない前のめり感から「富士フイルムは安倍首相と仲良しだから、これは癒着じゃないか」などと邪推され、メディアで反アビガン的な報道姿勢が出てきました。それが尾を引いているのかもしれませんが、それはそれ、これはこれです。

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