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 「駅近くの物件で開業すれば、通勤・通学帰りの患者が利用しやすいので有利」「帰宅途中の会社員が受診できるよう夕方遅い時間まで診療を」──。診療所開業のマニュアル本などによく書いてあるアドバイスだ。だが、新型コロナウイルス感染症COVID-19)の流行が続いたここ数カ月間、大都市圏の診療所は、この“セオリー”が通用しない事態に見舞われた。

 医業コンサルタントで宗和メディカルオフィス代表の原田宗記氏によれば、首都圏のJR・私鉄沿線に立地する診療所の中でも、駅前の施設ほど患者の減少幅が大きい傾向が見られたという。在宅勤務をする人が増えたことで鉄道の利用が減り、通勤・通学帰りの受診が減少。買い物などで駅前まで出かける人が減ったことも影響したとみられる。夕方遅くまで開けていても患者が来ないので、受付終了時刻を早めたケースもあった。

 緊急事態宣言の解除以降、診療所から遠のいていた患者は徐々に戻りつつあるが、それでも例年の水準まで回復したケースは少ないようだ。原田氏の顧問先では、「昨年比で4割患者が減っていたのが、6月には2~3割減くらいにまで“改善”したという程度。立地や診療科によっては、まだかなり厳しい状況が続いている」という。

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