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 最近、学生時代の友人たちと会って互いの仕事の話をしていると、「これからは医療だよ」という声を聞くことが目立って増えてきた。そう語る友人が勤めている企業は、製薬企業や医療機器メーカーといった医療関連企業ではない。ICT(情報通信技術)企業や食品・自動車メーカー、物流企業、金融機関などだ。これまで医療と直接関わることがなかった企業が今、医療をはじめとするヘルスケア分野に熱い視線を向けている。

医療・介護が国内最大の産業に
 改めて言うまでもなく、高齢化の進展や医療技術の進歩などによって、公的な医療・介護保険の給付費が増大することは確実だ。2018年に50兆円を突破した給付費は、政府推計によれば2025年に63兆円、2040年に93兆円に上ると見込まれている。これに伴い医療・福祉サービスの就業人口も、2018年の823万人が2025年には931万人に増え、1065万人を数える2040年には国内全産業のうち最大のセクターになる見通しだ。

 つまり医療・介護が国内最大の産業に「成長」していくということなのだが、一方では、その成長に伴って周辺に肥沃な新市場が誕生するという期待も高まっている。

 下の図は最近、経済産業省がよく使っている公的な医療・介護保険サービスと周辺産業の概念図だ。その形状から「卵の図」と呼ばれるものだが、同省は卵の黄身に相当する公的サービスの周辺(白身の部分)に様々な新サービスを提供する「ヘルスケア産業」が誕生し、その市場規模が2025年には33兆円になると推計している。こうした見通しが、冒頭に紹介した筆者の友人たちの「これからは医療だよ」という発言につながっている。

図 経済産業省が示した医療・介護保険サービスと周辺産業の概念図(同省が日本経済再生本部の未来投資会議構造改革徹底推進会合に提出した資料より) ※クリックで拡大します。

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