転倒や誤嚥など、要介護者の日常のリスクの予防と対応は、介護施設・介護事業者の運営で大きなウエートを占める。センサー技術などで見守りの手間が軽減される反面、人手不足は解消されず、こうした事故をゼロにすることはできない。入所者や利用者が負傷あるいは死亡した場合、家族との間で紛争や訴訟に発展することも珍しくなく、事業者側のリスク管理体制の整備は大きな課題となっている。

 そうした状況下、特別養護老人ホーム入所者の死亡は看護職員の過失として、業務上過失致死の有罪判決が下った刑事訴訟の展開が介護業界で注目を集めている。 刑事訴訟となっているのは、社会福祉法人協立福祉会(長野県安曇野市)が運営する特別養護老人ホーム「あずみの里」(同、定員65人)の入所者の死亡に関して。2013年12月12日午後3時15分ごろ、おやつの時間にドーナツを食べていた入所者Kさん(女性、当時85歳)が意識を消失し、職員による救急処置の後に救急搬送されたが、2014年1月16日に死亡した。Kさんの意識消失時、隣には看護職員(准看護師)のY氏が座ってほかの入所者を介助していた。

介護人材不足を加速? 注目の介護訴訟が控訴審への画像

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