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記者の眼

じわり浸透、連携推進法人が13まで増えた理由とは

 2017年4月に制度がスタートした地域医療連携推進法人に再び注目が集まっている。2017年度は4法人、2018年度は3法人の認定にとどまっていたが、2019年度に入ってから6法人が加わり、2019年8月1日時点では12府県で13法人が認定されるに至っている。

 地域医療連携推進法人は、別々の経営理念、方針に基づき運営されている複数の病院・診療所・介護施設などを一つの方向性に導き、地域においてより良い機能分担や連携、経営効率化を進めるための制度。2015年の医療法改正で制度化が決まり、2017年4月から認定が始まった。

 制度化が決まると医療関係者の大きな関心を呼び、各地で設立の検討が進められた。しかし、制度開始後も認定は増えていかなかった。その理由としては、複数の医療法人や自治体立病院などが連携法人を作ろうとしても、様々な利害関係があり協議が進まないことや、地域の医師会や自治体などの理解が得られず、都道府県の医療審議会への議案提出まで至らないことなどが指摘されていた。

 実際、鹿児島市では2つの医療法人が設立を計画していた連携推進法人は、県医師会の反対などにより医療審議会の了承が得られず、継続審議となり、申請が取り下げられた。また、札幌市では社会医療法人と学校法人が連携推進法人設立を進めていたが、「3法人以上の連携でないと地域医療構想に寄与することは難しい」との北海道の判断が示され、断念に追い込まれた。(関連記事

 認定が一向に進まない状況に、「しょせん厚生労働省が官邸の意向を受けて渋々作った制度。インセンティブもないので増えていかないないだろう」と話す病院経営者もいた。

神奈川、滋賀、栃木、島根、大阪で認定
 ところが、2019年度に入って認定が一気に増えた。2019年4月には、さがみメディカルパートナーズ(神奈川県)、滋賀高島(滋賀県)、日光ヘルスケアネット(栃木県)が、6月には江津メディカルネットワーク(島根県)、北河内メディカルネットワーク(大阪府)、弘道会ヘルスネットワーク(大阪府)が認定を受けた。さがみ、北河内、弘道会は民間主体。滋賀高島、江津は公立・公的主体。日光は公立・公的と民間あわせた連携推進法人で、日光市内の全8病院が参加している。

 設立準備には1年以上はかかること、都道府県の医療審議会の了解が必要なことなどを考えると、これらの連携推進法人は相当前から準備を進めていたと予想される。なお、今年に入ってから、民間のコンサルタント会社が開く関連セミナーは盛況、厚生労働省医政局や、都道府県の担当部署への相談も増えているという。制度開始2年がたって連携推進法人が脚光を浴び始めた理由はいったいなんだろうか。

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